Project/Area Number |
06670862
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊宏 京都大学, 医学部, 助手 (50188314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 千佳子 京都大学, 医学部, 助手 (50198454)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 後天性表皮水疱症 / 7型コラーゲン / 自己抗体 / エピトープ / フィプロネクチン / 融合蛋白 / cDNA |
Research Abstract |
後天性表皮水疱症は患者流血中の自己抗体が自己抗原と反応して表皮水疱を形成するに至ると考えられている。我々はこれまでに、本症の発症に深く関与する7型コラーゲンcDNAの単離に成功し更にその構造解析を終了した。更に本症と類似の病理組織像を呈し、本症同様に7型コラーゲンの構造の障害に基く疾患である先天性水疱症にあって、しばしば消失が報告される部位を認識する単クローン抗体LH7:2のエピトープの検索をも完了した。しかしながら後天性表皮水疱症の発症機序を解明するうえで必須と考えられる、患者血清(自己抗体)の認識する抗原部位は、現在明らかではなかった。我々は後天性表皮水疱症患者血清中に含まれる自己抗体を用いて既に単離された7型コラーゲン非コラーゲン領域をカバーするcDNA断片に由来する種々の融合タンパクとの反応性を検討することを通じて、本症患者の自己抗体が認識するエピトープを検索することを研究目的として平成6年度の科学研究を行った。すでにクローン化されたcDNA断片を融合蛋白として大腸菌に発現させ免疫ブロット法にてエピトープの位置を決定した。その結果、エピトープの位置が7型コラーゲン非コラーゲン領域のフィブロネクチンと相同性をもつ領域にエピトープが位置すると結論した。しかし全ての患者血清に共通して認識されるエピトープとしてのホットスポットは存在しないと結論した。この研究は、臓器特異的自己免疫性疾患のエピトープの検索により、後天性表皮水疱症の発症機序の解明に迫ることを目的としている点でこれまでなされた本症発症機序の研究と全く異なるものであり独創的であるといえる。同じく、エピトープが機能ドメインに位置することを遺伝子工学的手法によりはじめて明確化されたる点で斬新である。更に、発症機序が明らかになることは、本症の治療を考えるうえで臨床医学に貢献する可能性は計りしれないものである。
|