核医学的手法を用いる細胞増殖因子産生腫瘍の検出と治療法の開発
Project/Area Number |
06670918
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪原 晴海 京都大学, 医学部, 講師 (10187031)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 塩基性線維芽細胞増殖因子 / モノクローナル抗体 / シンチグラフィ |
Research Abstract |
ある種の腫瘍では増殖因子がオートクラインまたはパラクラインの機序によって腫瘍の増殖に直接関与している。このような腫瘍では増殖因子に対する中和抗体が腫瘍細胞の増殖を抑制しうることが明らかにされており、中和抗体の治療への応用が試みられている。本研究では塩基性線維芽細胞増殖因子(basic-FGF)を認識するマウスモノクローナル抗体3H3を用い、basic-FGF産生腫瘍を核医学的手法により視覚的に診断する方法を開発した。3H3抗体はインビトロ、インビボにおいてヒト膠芽種細胞U87MGの増殖を抑制する。 ヨード125(I-125)あるいはインジウム111(In-111)で標識した3H3抗体はインビトロにおいてU87MG細胞と結合し、U87MG細胞表面にはbasic-FGF受容体のみならずbasic-FCF自体も発現していた。U87MG細胞をヌードマウスの皮下に移植し腫瘍を形成させた後、I-125またはIn-111で標識した3H3抗体もしくはアイソタイプを一致させた非特異的対照抗体を腫瘍周囲の皮下に投与したところ、いずれの標識体においても3H3抗体は対照抗体に比較して腫瘍内に高い濃度で長く留まった。In-111標識抗体は脱ヨード化を受けないのでI-125標識抗体より腫瘍内の放射能が高く保たれ、シンチグラム上もIn-111標識3H3抗体により腫瘍が明瞭に描出された。basic-FGFを産生していない移植腫瘍においては標識3H3抗体の滞留は認められなかった。 これらの結果は、投与した標識抗増殖因子抗体の分布が、個々の腫瘍において増殖因子が腫瘍増殖に関与しているか、さらに抗増殖因子抗体による治療が可能か、の指標となりうることを示す。現在、皮下投与ではなく静脈内投与により標識抗体を効果的に腫瘍に集積させることを検討している。ベータ線放出核種を用いて抗体を標識すれば抗体の生物学的作用に放射線による内照射を加味した抗腫瘍効果も期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)