ラット脳に於ける抗うつ薬の動態と関連するモノアミン濃度変化に関する脳波学的解析
Project/Area Number |
06670983
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 滋 (1996) 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80221323)
中澤 欽哉 (1994-1995) 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80090421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 一也 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10199945)
初田 聡 愛知医科大学, 医学部, 助手 (80208537)
藤田 和幸 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60247723)
鈴木 滋 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80221323)
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Project Period (FY) |
1994 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1995: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | モノアミン / パワースペクトル / in vivo / セロトニン / 海馬 / 抗うつ薬 / GABA_A / GABA / 脳波 / 深部脳波 / ノルエピネフリン / ドーパミン / イミプラミン / クロミプラミン |
Research Abstract |
我々は、長年抗うつ薬が中枢神経系に及ぼす効果を、脳内薬物動態とモノアミンレベルの変化の関連を指標として検討し、抗うつ薬(或いは代謝物)の脳内レベルに依存して、モノアミン代謝が変化することを報告してきた。しかし抗うつ薬の薬理作用は、モノアミン神経に限定されるとは考えにくく、脳組織での神経伝達物質の測定が中枢神経機能をどの程度反映するかは不明である。従って本研究では、in vivoの手法である微小脳内透析法と動物脳波のパワースペクトル解析を用いて、脳の機能変化をより直接的に捉えることを試みた。更にモノアミン以外の中枢神経に作用する薬物による脳の機能変化に対する抗うつ薬の効果も検討し、より広い観点から抗うつ薬の中枢神経作用の解析を行った。その結果、脳内微小透析法によっては、セロトニン再取り込み阻害作用とセロトニン2受容体阻害作用を有する抗うつ薬トラゾドンにセロトニン放出抑制効果が認められた。他方、ラット海馬脳波のパワースペクトル解析では、セロトニンの再取り込みを阻害作用をする有する抗うつ薬イミプラミン、フェロキセチン及びトラゾドンにGABA_A受容体拮抗薬の作用(パワー値増加)を抑制する効果(抗うつ薬によるGABA_A受容体の促進)が認められた。これらの研究は未完であるが、抗うつ薬がGABA受容体を促進し、その効果に抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害によってその利用率を増加するのではなく、セロトニンによる神経伝達を抑制する可能性を示唆した。これらの点は現在注目されており、抗うつ薬がGABA受容体或いはセロトニンによる神経伝達を促進するか或いは阻害するかについては活発な議論が行われている。我々の研究はそれらの議論に一石を投じうる興味ある結果と考える。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)