Project/Area Number |
06671004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 直秀 東京大学, 医学部(分), 講師 (90174680)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 下垂体前葉 / Ca^<2+> / SRIF / K^+チャネル |
Research Abstract |
下垂体前葉ホルモンの分泌にはcAMP、IP3、c-kinase、Ca^<2+>等の細胞内セカンドメッセンジャーが重要な役割を果している。これらのセカンドメッセンジャーの中でも細胞内Ca^<2+>が前葉細胞からのホルモン分泌に密接に関わっていることは良く知られた事実である。下垂体前葉は神経細胞と同様に活動電位を発生する。細胞内Ca^<2+>濃度はこの活動電位発生の際、電位依存性Ca^<2+>チャネルを通るインフラックスや細胞内Ca^<2+>プールからの動員によって調節されている。特に持続的なホルモン分泌には細胞外からのCa^<2+>インフラックスが重要であるが、このインフラックスの調節には活動電位の発射頻度と電位依存性Ca^<2+>チャネル電流の大きさの2つが関与している。本年度はヒトTSH産生腫瘍をとりあげSRIFの作用機構について検討した。ヒトTSH産生腫瘍ではSRIF投与によりTSH分泌が抑制されるが、その抑制反応にイオンチャネルが関与しているかを電気生理学的手法を用いて検討した。手術的に得られたヒトTSH産生腫瘍を酵素的に単離し、10%牛胎児血清を含むDME培地で培養した。電気生理学的手法としてはwhole cell clamp法を用いた。電流固定法下でTSH産生細胞は自発的活動電位を発射していた。SRIF投与により膜は過分極し、活動電位の発生が抑制された。この時膜の抵抗は減少しており、何らかのイオン透過生が亢進したと考えられた。電圧固定法で調べると、この透過性の変化するイオンの反転電位は約-80mVであり、細胞外液のカリウム濃度を変化させるとNernstの式に従って反転電位がシフトした。よって透過性が亢進したチャネルはカリウムチャネルであると結論された。細胞内にGTPγSを投与するとSRIFの存在なしにカリウムチャネルが開口した。また細胞内にGDPβSを投与するとSRIFによるカリウムチャネルの活性化が抑制された。百日咳毒素の前処置もSRIFによるカリウムチャネルの活性化を抑制した。以上よりヒトTSH産生細胞においてSRIFは百日咳毒素感受性G蛋白を介してカリウムチャネルを活性化することが明らかとなった。このチャネルの活性化によりCa依存性活動電位が抑制され、TSH分泌が減少すると結論された。
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