Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
インスリン依存性糖尿病(IDDM)の発症遺伝子を解明し、IDDMの発症前診断、発症予防に役立てる目的で、IDDMのモデル動物であるNODマウスを用いて第17染色体上のIdd-1領域を詳細に解析するとともに、ヒトでの対応遺伝子座に関しても検討を加えた。 1.モデル動物:NODとコントロールマウスの組換えMHCを導入したコンジェニックマウス(MOD.CTS-H-2)がIDDMを発症すること、しかしその発症頻度はNODより有意に低いことから、Idd-1は複数の遺伝子群から構成されていることを見いだした。この組換え染色体のMHCはclassIIのA,E,Tap,Lmp,Oa,Ob遺伝子やclassIIIのHsp70遺伝子を含む0.42cMの領域がNODと同一であり、この領域にIDDMの主効果遺伝子がマップされた。NOD.CTS-H-2コンジェニックマウスでCTS由来の領域が第17染色体の11.2cMから21.9cMまでの領域に限定されていたことから、この領域に発症頻度(自己免疫の強さ)を左右する遺伝子がマップされた。 2.ヒト対応遺伝子:ヒトにおいてもIDDMの疾患感受性遺伝子はclassII領域にマップされたが、発症年齢はclassI遺伝子に強く影響されており、NODマウスにおける結果と同様の傾向であった。 以上の結果より、MHC領域に複数のIDDM遺伝子が存在することが明らかとなり、より正確な予知を可能とするのみならず、予防・治療に際して複数のステップで対処できる可能性が示された。
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