14q32転座型リンパ系腫瘍における遺伝子の続発変異に関する研究
Project/Area Number |
06671089
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
福原 資郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (40142301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 仁嗣 京都大学, 医学部, 助手 (40263082)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 14q32転座 / Bリンパ腫 / 続発遺伝子変異 / p53 |
Research Abstract |
我々の提唱する14q32転座型腫瘍は、初発変異である14q32転座により病型が規定され、続発変異により予後が左右されるとする作業仮説である。本研究は、14q32転座関連遺伝子(BCL1,BCL2,BCL3,BCL6 etc)と癌抑制遺伝子変異の相関を探索し、転座遺伝子の活性化との関連において癌抑制遺伝子の不活化または活性化異常がもたらす臨床および生物学的特性の動的変化を明らかにすることを目的としている。 14q32転座型腫瘍のサブクラスについて、p53遺伝子におけるエキソン5-9の変異をPCR-SSCP法にて検討した。p53遺伝子の変異は、サブクラスに関係なく検出された。すなわち、BCL1(CYCLIN-D1)関連腫瘍では17例中2例(12%)に認め、BCL2関連腫瘍は67例中9例(13%)、そしてBCL6(BCL5/LAZ3)関連腫瘍は35例中2例(6%)であった。2例のBCL3関連腫瘍には検出されなかった。陽性症例の特徴は、臨床的には治療抵抗期にあり病理学的には大細胞型期にあった。これらのp53遺伝子変異は、すべてミスセンスの点突然変異であるが、固形腫瘍において報告された変異とは異なりG:C塩基対からA:T塩基対への変化やCpG配列でのtransitionが多いとはいえなかった。 p53遺伝子変異がBCL2関連腫瘍以外に検出されたことは新しい所見である。しかも、陽性例は、BCL2転座関連腫瘍と同様に、臨床的には治療抵抗期、病理学的には大細胞型期にあった。これらの所見は、14q32転座型腫瘍における続発遺伝子変異は、初発遺伝子変異と関係なく起こることを示している。したがって、p53遺伝子変異から生じる腫瘍細胞の悪性化に対しては、その制御を目的とする新しい治療戦略が必要とされる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)