血小板インテグリンGPIIb-IIIaによる蛋白チロシン燐酸化と脱燐酸化機構の解明
Project/Area Number |
06671090
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 博史 京都大学, 医学部, 助手 (10197220)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 血小板 / 蛋白チロシンキナーゼ / 蛋白チロシン、ホスファターゼ / インテグリン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
1.血小板にトロンビン(Th)刺激を加えると蛋白チロシン燐酸化反応(PTP)が認められ、そのうちいくつかはCPIIb-IIIaを介した凝集と共に脱燐酸される。この蛋白チロシン脱燐酸化反応(PTD)は細胞外Ca^<2+>をキレートしたり、Ca^<2+>の代わりにMn^<2+>やNi^<2+>を細胞外に加えると抑制されることから、PTDはGPIIb-IIIaのみならず細胞外Ca^<2+>の流入によっても制御されていると考えられた。 2.アクチン重合阻害剤であるサイトカラシンD(CytD)を血小板に加えた後Thで刺激するとPTPは著明に抑制された。このことから血小板のPTPはアクチン重合反応に依存していると考えられた。 3.同様に、Th刺激時に認められるPTPおびよPTDに及ぼすカルパイン阻害剤のEST、MDL.カルパインの影響を検討したが、それらはいずれも影響を与えなかった。従って血小板のPTPおよびPTDにはカルパインは関与しないと考えられた。 4.Th刺激を加えた血小板を融解し、膜骨格、細胞骨格、細胞質に分画した後、各々の画分でのPTP,PTDを検討したところ、大部分のPTPは細胞骨格で生じ、全細胞で認められたPTDは細胞骨格で起こることが判明した。このことは蛋白チロシンホスファターゼ(PTPase)が細胞骨格上で存在することを意味したので、PTPIB,PTPIC,SHPTP2の各PTPaseの細胞骨格への移行に検討した。その結果、PTPIBはGPIIb-IIIa依存性に、PTPICはTh刺激とGPIIb-IIIaの両者に依存して細胞骨格へ移行することが明らかとなった。さらにPTPICはGPIIb-IIIa依存性にチロシン燐酸化されることが観察された。このようにGPIIb-IIIa依存性のPTDには細胞骨格の再構築とPTPの両者が関与していることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)