Project/Area Number |
06671101
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河北 誠 熊本大学, 医学部, 助教授 (20040280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 守 熊本大学, 医学部, 助手 (40244115)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 巨核球分化誘導因子 / 未分化甲状腺癌 / IL-11 / 新規サイトカイン |
Research Abstract |
HOS細胞培養上清中の巨核球分化誘導因子活性については、20Lの培養上清を調整し、純化を試みたが、精製過程を重ねると活性が分散し、未だ最終段階まで到達していない。そこでHOSとは別に、我々の研究室で樹立された未分化甲状腺癌細胞上清中に存在する同様な活性の純化に目標を切り替えた。 KHM-5MはPCRで解析するとIL-6を産生している。そこで正常マウス骨髄非付着非貪食細胞の液体培養系でのAChE活性誘導を指標に、IL-6以外の活性を追跡した。無血清培養上清35Lを濃縮後、6Mグアニジン塩酸で溶解し、90%エタノール沈殿を行った。沈殿物を遠沈除去後、上清に残存する活性をRP-HPLCで精製した。IL-6よりも高濃度のアセトニトリルで溶出される活性画分をさらに二段階精製し、最終的に22kDaの純化標品を得た。SDS-PAGEゲルの切り出し実験で、AChE誘導活性分布と蛋白のピークは完全に一致したが、N末端アミノ酸配列を解析した結果、IL-11と確認された。 しかしKHM-5Mの培養上清にはIL-11以外にも正常巨核球の分化誘導活性が認められたので、さら実験を続けた結果、新規蛋白の単離に成功した。詳細は投稿準備中だが、3段階の精製後、TSK-G300SW-XLによるゲル濾過で単一の活性ピークを示し(図4)、泳動ゲルの切り出しで活性は主蛋白バンドと一致した。そこでSDS-PAGEゲルから蛋白をPVDF膜に転写し、N末端20個のアミノ酸配列決定に成功、現在までに知られていない全く新しい蛋白と判明した。巨核球刺激因子(megakaryocyte stimulator,MKS)と仮称しているが、単独でマウス巨核球のAChE活性を誘導し、巨核球のploidyを高め、さらにmpl-リガンドとは相乗的に働く、これらのデータは全て、投稿準備中である。 巨核球系造血では、mpl-リガンドが、非常に特異性が高く強力な因子として注目を浴びている。今回我々が純化したMKSが生理的な血小板産生にどの程度の役割を果たすのかは今後の課題である。現在遺伝子クローニングが進行中だが、成功後には、直ちに受容体の探索にとりかかるべく準備中である。
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