血液幹細胞特異的チロシンキナーゼを介するシグナル伝達
Project/Area Number |
06671102
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助教授 (00166620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 血液幹細胞 / チロシンリン酸化酵素 / シグナル伝達 / Hyl |
Research Abstract |
血液幹細胞の増殖・分化の分子機構を明らかにするために、幹細胞系に発現している非受容体型の新しいチロシンリン酸化酵素Hylの機能検索を行った。1.アフィニティークロマトを組み合わせた精製法により、HylのC末端ペプチドに対する特異性の高い兎抗体を得、ウエスタンブロット法にてヒト血液系細胞株におけるHyl蛋白発現を調べたところ、57kD蛋白質として検出された。2.CD34抗原陽性幹細胞系細胞株KMT-2およびmegakaryoblast系細胞株UT-7に、SR_αプロモーターによるHyl恒常的過剰発現を企てた。得られたすべてのクローンは、内在性Hyl蛋白の発現量に比して、強制発現されたHyl蛋白量が非常に少なくせいぜい同量程度ぐらいまでであった。このわずかなHyl過剰発現しか見られないにもかかわらず、KMT-2・UT-7いずれの細胞も巨大化して多核の細胞となった。このことは、Hyl蛋白発現量が細胞増殖に大きな影響を与え、おそらくHyl蛋白により細胞質分裂が抑制され、核分裂は抑制されていないことを示唆するものであり、Hylはmegakaryopoiesisの過程に重要な役割を果たしていると推察される。3.Hyl過剰発現KMT-2細胞と親株の細胞内チロシンリン酸化蛋白質の異同を詳細に比較検討したところ、Hyl過剰発現細胞においてチロシンリン酸化がこう進している1種類の蛋白とチロシンリン酸化が減弱する2種類の蛋白を見い出した。今この蛋白質の同定を進めている。4.Hyl遺伝子欠損マウスを作製するために、マウスcDNAとgenome全長をクローニングして遺伝子配列を決定した。その結果、マウスHylはalternative splicingによってN末端の長さの異なる2つの分子種をとることが分かった。knockoutマウス作製状況は、Hyl+/-のヘテロマウスが生まれ、現在ヘテロマウスどうしの掛け合わせの最中である。以上、Hylチロシンリン酸化酵素の機能解析がこのように進んできており、今後、downstream,upstreamの分子の同定およびknockoutマウスを利用した解析を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)