in vivo遺伝子導入法を用いた血管作動性物質の糸球体障害への影響の検討
Project/Area Number |
06671139
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
和田 晃 大阪大学, 医学部, 助手 (50252648)
越智 聡 大阪大学, 健康体育部, 助手 (60240850)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 遺伝子導入 / HVJ-リポソーム法 / アンジオテンシンII / レニン / アンジオテンシノーゲン / 糸球体硬化 / 形質転換 / α-smooth muscle actin |
Research Abstract |
近年「糸球体局所でのアンジオテンシンIIの作用が、糸球体硬化病変の成立・進展に関与する」という仮説が提唱されている。この仮説をin vivoで検証するため、ラット腎臓の糸球体細胞にヒト・レニン・ヒト・アンジオテンシノーゲンの遺伝子を導入し、これらを糸球体局所で過剰発現させることによって、メサンギウム細胞の形質転換ならびに糸球体硬化病変が惹起されるかどうかを検討した。 遺伝子導入法としては、HVJ-リポソーム法を採用し、10匹の8週令雄性SDラットの左腎動脈から、上記遺伝子を左腎臓に導入した。 遺伝子導入3日後にラット3匹を屠殺し、腎臓におけるヒト・レニンの発現を免疫組織化学で確認した。その結果、左腎の約30%の糸球体にヒト・レニンの発現が認められた。 残る7匹のラットは、遺伝子導入7日後に屠殺し、その糸球体病変の有無について検討した。その結果、左腎の一部の糸球体で光顕的に細胞外基質の増加を認めた。また、免疫組織化学により、左腎の一部の糸球体で、I型、III型コラーゲン、α-smooth muscle actinの発現が認められた。これらの発現は正常糸球体では認められず、メサンギウム細胞の形質転換のマーカーとされている。 これらの糸球体組織変化は、chloramphenicol acetyltransferase(CAT)遺伝子を導入した対照腎では全く認められなかった。 また、ヒト・レニン、ヒト・アンジオテンシノーゲン遺伝子の導入3日後、7日後に全身血圧の上昇は認められず、同日のラット血漿ヒト・レニン濃度は測定感度以下であった。 以上の結果から、腎臓糸球体局所のレニン-アンジオテンシン系の亢進が、in vivoでメサンギウム細胞の形質転換ならびに糸球体硬化病変を誘導することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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