Project/Area Number |
06671200
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上池 渉 大阪大学, 医学部, 講師 (40152847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 重臣 大阪大学, 医学部, 助手
田川 邦夫 岡山県立大学, 栄養学部, 教授 (40028296)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 肝移植 / 無酸素再酸素化障害 / Apoptosis / DNA切断 / bcl-2 |
Research Abstract |
我々は移植肝にみられる虚血再灌流障害の主因としてapoptosisによる細胞死の発生に着目し、初代培養肝細胞を用い、形態学的、生化学的に検討を行った。その結果は以下の如くである。 1、無酸素再酸素化後の初代培養肝細胞を電子顕微鏡にて観察すると、核の断片化、クロマチンの凝縮、apoptotic bodyの形成など典型的なapoptosis像を呈していた。 2、無酸素再酸素化後の初代培養肝細胞よりDNAを抽出し電気永動にて切断の有無を検討すると、180bpのいわゆるnucleosomal ladderは観察されなかったものの、50kbpのDNA切断は観察された。 3、Flow cytometerを用いてDNA切断細胞を同定し、cell sorterにてfractionationするとこのDNA切断細胞はapoptosis細胞と一致することが明らかとなった。 4、虚血再灌流障害の多寡に影響を与える種々の薬剤を投与した後無酸素再酸素化を行い、apoptosis細胞の出現頻度を定量評価した。細胞質カルシウム濃度を上昇させる薬剤(noradrenaline+glucagon)はapoptosis細胞の出現を増加させ、細胞質カルシウムキレーター(BAPTA-AM)の投与はこれを減少させた。また、活性酸素のスカベンジャー(N-acetyl cysteine)やDNase inhibitor(aurintricarboxylic acid)の投与もapoptosis細胞の出現を緩和した。 さらに、apoptosisの抑制遺伝子であるbcl-2を肝癌細胞(rat hepatoma,7316A)にtransfectionした。この細胞を用いて無酸素再酸素化時のapoptosisの有無を検討すると、Bcl-2蛋白を過剰に発現させた細胞ではapoptosisの出現が回避された。これらの知見より、移植肝にみられる無酸素再酸素化障害を緩和するためには、細胞質カルシウム濃度の調節、活性酸素のスカベンジャーやDNase inhibitorの投与、Bcl-2の過剰発現が有効と考えられた。
|