Project/Area Number |
06671235
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
松岡 秀夫 国立小児病院, 小児医療研究センター・病理病態研究部, 研究員 (20209513)
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Project Period (FY) |
1994 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 乳癌 / ホルモン療法 / 抗エストロゲン剤 / E_2結合剤 / Estrogen receptor / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / サイトカイン |
Research Abstract |
【目的】癌細胞の増殖能に基づく定量的assay法(in vitro)を用いて、臨床乳癌細胞のestrogen(E_2)や、抗estrogen剤であるtamoxifen、estrogen合剤に対するresponsについて検討すると共に、in vitroでE_2により増殖が抑制される細胞のin vivoにおける増殖能の相違について、サイトカイン量や癌遺伝子の発現量を比較検討した。 【方法】(1)F-CSP assay法による感受性試験:接触阻止能を有するBalb/c 3T3細胞を48穴のウエルにまいて、confluent monolayerを作製。これを3%glutar aldehydeで固定した(F-CSP)。このF-CSPの上では、初代培養の正常細胞の増殖は抑制され、癌細胞の増殖は、plastic plate上よりも良好であることをすでに報告してきた。このような特徴をもつplateを用いて臨床癌細胞に対する性ホルモン、および、ホルモン剤のresponseをみた。(2)組織の一部より、RNAを抽出しサイトカイン(TGF-α、TGF-β、TNF-α、EGFなど)量や、遺伝子(p53、PCNA、nm23など)発現量について検討した。 【結果】(1)臨床乳癌組織より細切して得られた初代乳癌培養細胞を用いてestradiol(E_2)に対する反応をみたところ、54症例中19例(35%)にE_2によって増殖の抑制される乳癌の存在があることが判った。E_2によって増殖が促進される症例はER陽性症例中にわずか51%、ER陰性症例中では32%と、E_2に対する反応とER量とは必ずしも一致しないことがわかった。また、E_2によって増殖が促進される症例の内、TAMによって抑制される症例は83%(20/24)と高率であるのに対し、ER陽性症例中にはわずか51%(18/35)であった。(2)E_2によって増殖が抑制される症例の内、estrogen合剤(estracyt、bestrabucil)によって増殖が抑制される症例は、60%(6/10)、100%(8/8)であった。(3)E_2によって増殖が促進されるヒト乳癌細胞MCF-7では、E_2存在下で癌遺伝子PCNAやc-mycの発現が増強された。一方、E_2によって増殖が抑制されるヒト食道癌細胞KSE-1では、E_2存在下でPCNA、P53、c-mycの発現が抑制された。(4)E_2によって増殖が促進される臨床乳癌組織内では、TGF-α/TGF-β【less than or equal】1.6、TNF-α/TGF-β【less than or equal】<1.7であるのに対し、E_2によって増殖が抑制される臨床乳癌組織内では、TGF-α/TGF-β【greater than or equal】1.7、TNF-α/TGF-β【greater than or equal】2.5と、全く異なる発現をしていることが分かった。すなわち、in vitroでE_2により増殖が抑制される乳癌はin vivoでTNF-αの発現が増加し、TGF-αによって増殖がassistされると推察された。
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