Project/Area Number |
06671439
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 澄雄 千葉大学, 医学部, 講師 (10143273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 講師 (20171572)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 脊柱靱帯骨化症 / 成因 / 培養脊柱靱帯細胞 / TGF-β1 / BMP-2 |
Research Abstract |
脊柱靱帯骨化症の成因を検索するにあたり、以前より我々は、培養脊柱靱帯細胞を用いたin vitroでの検討を行ってきた。その結果、骨化症由来脊柱靱帯細胞は、比較的高いALP活性を持ち、PTHに応答して細胞内cAMP量が上昇することから、骨芽細胞あるいは成長軟骨細胞といった骨形成系細胞としての性格を有していることが判明している。一方、近年TGF-β1やBMP-2等の細胞成長因子が、脊柱靱帯骨化症の発生、進展に関与しているといわれている。昨年度より、我々はヒト培養脊柱靱帯由来細胞に対するTGF-β1、BMP-2の作用を細胞増殖能(DNA合成量)、細胞外基質合成能(I型コラーゲン合成量)、骨形成系細胞としての分化能(ALP活性)について検討してきた。そこで今年度は、その症例数を増やすと同時に、もう1つの骨形成系細胞の分化の指標である、PTH応答性細胞内cAMP量に関しても検討した。 非骨化症由来細胞では、TGF-β1添加(0.01-10ng/ml)により、細胞増殖能、細胞外基質合成能が亢進した。骨化症由来細胞における細胞増殖能は、今回の濃度のTGF-β1添加では、変化しなかった。また、細胞外基質合成能は、TGF-β1添加により亢進するが、非骨化症由来細胞における変化と比較して反応性に乏しかった。また、骨化症由来細胞におけるALP活性およびPTH応答性細胞内cAMP量は、TGF-β1添加により低下した。一方、添加したBMP-2(1-500ng/ml)に対して、非骨化症由来細胞は、反応性を有さなかった。しかし、骨化症由来細胞では、ALP活性およびPTH応答性細胞内cAMP量が増大した。 以上より、骨化症由来細胞において、BMP-2は、骨形成系細胞としての分化を促進させ、TGF-β1は、基質合成を促進させることが判明した。この結果は、骨芽細胞や成長軟骨細胞に対するin vitroでの報告と一致する。したがって、骨化症由来脊柱靱帯細胞は、何らかの全身的骨化素因によって骨形成系細胞としての性格を有していると考えられた。
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