Project/Area Number |
06671453
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松末 吉隆 京都大学, 医学部, 講師 (30209548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 正 京都大学, 工学部, 教授 (30027049)
木次 敏明 京都大学, 医学部, 助手 (10240821)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Keywords | シリカゲル / アパタイト |
Research Abstract |
目的:骨とアパタイト・ウォラストナイト含有ガラスセラミックスの結合のメカニズムは、セラミックス表面より溶出したカルシウムイオンと、生体より供給されたリン酸イオンとが、セラミックス表面で析出して、アパタイト層(Ca-P,rich layer)を形成し、これが骨のアパタイトと化学的に結合すると考えられている。その際、アパタイト形成の核として、シリカイオンが関与していると推察されている。この考えを証明するために、家兎脛骨にシリカゲルを埋入し、骨とシリカゲルの界面でアパタイト形成が起こるか否かを、調べた。 方法:生体中での溶出が異なる焼成温度400,800,1000℃のシリカゲルプレート(15mm×10mm×2mm)を作製し、家兎(オス体重2.5-3.0kg)の脛骨顆部に貫通挿入した。そして、術後4週、8週で屠殺し、硬組織を作成し、骨とシリカゲルの界面をギムザ表面染色、コンタクトマイクロラジオグラム,SEM-EPMA、微X線回折を用いて観察した。 結果と考察:骨とシリカゲルの結合は、組織学、X線学的に認められず、軟部組織の介在が観察された。400、800℃のサンプルでは、術後4週,8週で、シリカゲル表面にCaとPに富んでいる層が観察され、X線回折で水酸アパタイトと考えられたが、この層は僅かしか観察されなかった。1000℃では、シリカゲル表面にCaとPとに富んでいる層は、観察されなかった。シリカゲルの体液中での溶出速度が極めて大きい事と、生体中での埋入期間が長期になるにつれて、シリカゲルの表面においてリン酸カルシウムが安定して成長しない事によると、考えられた。 本研究において、シリカイオンがアパタイト形成における核を果たしている事が示唆されたが、アパタイト形成を促すには、溶解度の小さいシリカゲルを用いる必要があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)