肺胞上皮細胞増殖因子による肺病変修復過程促進に関する分子生物学的検索
Project/Area Number |
06671539
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
須加原 一博 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20171126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 義浩 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (90264308)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 呼吸不全 / 肺胞上皮細胞 / 肺表面活性物質 / 損傷治療 / 遺伝子発現 / in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
1)LPSによる呼吸障害動物肺による肺胞II型上皮細胞増殖と肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子発現-LPSを経気道的に投与し、経時的に肺組織変化を検索した。LPS投与後3〜5日に、肺胞II型上皮細胞増殖および間質細胞増殖による肺胞壁の肥厚が強く起こることが証明された。電顕的検索および抗Bromodeoxyuridine(BrdU)抗体抗SP-A抗体を用いた免疫組織化学的検索でも、肺胞II型上皮細胞の増殖が証明された。In situ hybridization法によるアポ蛋白遺伝子SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAsの発現を検索すると、SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAすべて強い増加がみられた。特に気管支上皮細胞よりも肺胞上皮細胞に強く発現していた。これらの変化は、その後経時的に軽減し、4週間後には殆どコントロールレベルまで回復した。このことから肺障害時の肺胞II型上皮細胞増殖および肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子過剰発現は肺のgeneral responseの一つであり、増殖しサーファクタントを産生して肺病変修復過程に寄与するものと思われる。2)肺胞上皮細胞増殖因子による肺障害修復過程の促進-これまでの申請者らの研究で、aFGFファミリーが肺胞II型上皮細胞を特異的に増殖させ、かつ肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAsの発現を増加させることが証明されたことから、このaFGFファミリー(aFGF、HGF、KGFなど)によりブレオマイシン肺線維症を軽減できないか検索した。臨床的および光顕的にも抑制効果が観察され、アポ蛋白SP-A、SP-BおよびSP-C mRNAs発現をin situ hybridization法により検索すると、肺線維化の強いところではこれらの発現が抑制されており、増殖因子の投与により発現の改善が観察され、障害抑制効果があると考えられた。現在、コラーゲン発現や転写因子調節機構の解明に関する検索を開始している。3)肺切除、肝切除および腎摘出患者における血中HGFレベルの変化-肝細胞増殖因子(HGF)は、肝臓だけでなく、肺や腎臓の増殖にも関与するので、それぞれの患者について周術期の血中HGF値の変化を測定した。全患者で術後1〜3日目に4〜5倍の増加がみられ、臓器の代償性肥大にHGFが関与していることが示唆された。4)糖尿病ラット肺において、グルコース・トランスポーター(Glut1,2,3&4 mRNAs)の発現を検索し、軽度の増加がみられ、糖尿病肺障害に何らかの関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)