早産および胎児発育遅延の病態のおける血小板活性化因子の役割に関する生化学的検討
Project/Area Number |
06671645
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊原 由幸 京都大学, 医学部, 講師 (10223299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 史典 京都大学, 医学部, 助手 (00243022)
佐川 典正 京都大学, 医学部, 講師 (00162321)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 血小板活性化因子(PAF) / PAF-acetylhydrolase(PAF-AH) / 妊娠維持機構 / 胎児仮死 / 妊娠中毒症 / ステロイドホルモン / 脱落膜 / macrophage |
Research Abstract |
本研究では、妊娠中の母体循環および胎児の発育における血小板活性化因子(PAF)の役割を解明する目的で、まず、PAFの局所濃度の調節因子であるPAF代謝酵素すなわちPAF-acetylhydrolase(PAF-AH)の血中の活性を測定した。ついで、血中PAF-AH活性の調節機序を解明する目的で、各種ホルモン環境下の婦人の血漿中PAF-AH活性を測定し比較した。さらに、妊娠維持機構におけるPAF代謝とPAF-AH活性の役割を明らかにする目的で、子宮内膜および脱落膜組織に大量に存在すると考えられるmacrophageにおけるPAF-AH分泌調節機序を細胞培養系を用いて検討し、以下の成績を得た。 1.正常妊婦の血漿中PAF-AH活性は正常非妊婦より有意に低下していた。 2.妊娠中毒症妊婦では、上記のPAF-AH活性の低下が認められなかった。 3.胎児臍帯血中PAF-AH活性は母体血の1/5と低値を示した。 4.胎児仮死や子宮内発育遅延の胎児ではPAF-AH活性が上昇した。 5.排卵障害を有する婦人ではPAF-AH活性が低値を示し、GnRH agonistによる偽閉経状態の婦人では高値を示したことから、ステロイドホルモンがPAF-AH活性の調節に関与していると考えられた。 6.子宮内膜組織のPAF-AH活性もステロイドホルモンの調節を受けている可能性が示唆された。 7.PAF-AHを分泌するmacrophage培養系を確立した。 8.この系におけるPAF-AHの分泌がdexamethasoneやprogesteroneで増加したことから、脱落膜におけるPAF-AH活性の調節にも妊娠中に増加するステロイドホルモンが重要な役割を果たしていると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)