Project/Area Number |
06671711
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北嶋 和智 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10108996)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 声帯 / ヒステリシス / 声門上下圧差 / 発声時呼気流量 / ステイフネス / 音声基本周波数 |
Research Abstract |
研究目的 声帯の適切な粘弾性は良い声のために必須である。この粘弾性を評価する臨床的方法としては、現在のところ喉頭ストロボスコピーがあるのみである。申請の研究は声帯の粘弾性の客観的評価法の開発を目指した。 研究方法 シャッターを装着したマウスピース内に持続発生をおこなう。発声中に急速にシャッターを閉じる。口腔内圧は上昇して声門下圧と同等になり、また呼気流量も減少して声帯の振動は強制的に停止される。100msec後にシャッターを再び開く。声門上下圧差(声門下圧と口腔内圧の差)、呼気流量が回復して声帯振動が再開される。このシャッター開閉にともなう口腔内圧の変動をX軸に、声帯の振動振幅の変動をY軸に取ると、振動振幅とのヒステリシス曲線が得られる。同様に呼気流量をX軸に、声帯の振動振幅の変動をY軸に取ったヒステリシス曲線も描記した。 研究成果 1)正常人でのヒステリシス曲線は圧、流量ともに声帯の振動数で違った形態を示した。 2)ヒステリシスは中音域で最も小さい値を示し、低音域と高温域では中音域に比較して大きいヒステリシスを示した。この所見は圧、流量共に見られた。 3)これらヒステリシス曲線の周波数ごとの変化は、シャッター開放時すなわち声帯振動の開始時のヒステリシス曲線の変動によるものであった。閉鎖時すなわち停止時のヒステリシス曲線の形には周波数ごとの変化はなかった。 4)低音域ではヒステリシスが大きいのは、比較的質量の多い声帯を駆動するからであり、高音域でヒステリシスが大きいのはステイフネスの高い声帯を駆動するからと推察された。 研究の意義 計算機プログラムの開発にてまどり病的例の測定は今後の予定となったが、正常例で一定の所見が得られたことから、比較の基準が得られ、声帯の粘弾性を評価できると結論できた。振動質量とステイフネスの増加のため、病的例ではどの周波数でも大きいヒステリシス曲線が予想される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)