Project/Area Number |
06671835
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
戸田 善久 日本大学, 歯学部, 教授 (20059413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 眞紀 日本大学, 歯学部, 副手 (00256885)
柿澤 佳子 日本大学, 歯学部, 講師 (60102563)
磯川 桂太郎 日本大学, 歯学部, 講師 (50168283)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 系統発生 / 弾性線維 / 魚類 / 円口類 / エラスチン / microfibril / 電顕組織化学 / 大動脈 |
Research Abstract |
高等脊椎動物では、弾性線維は超微構造的に異なる無定形エラスチンとmicrofibrilとからなるとされる。本研究では、系統発生学的な観点から下等脊椎動物の大動脈弾性線維について電顕組織化学的検討を加えた。細胞外基質の保存性を向上させ同時に高い電子密度を与えるROTO法では、検索した円口類のLampetra japonica、硬骨魚類のSalmo gairdneri、Anguilla japonica、Cyprinus carpioいずれにおいても、通法に則った電顕的観察に較べ、より鮮明に細胞外基質構造を認めることができた。しかし、Salmo gairdneriとCyprinus carpioでは、典型的なmicrofibrilを見い出すことはできなかった。含硫アミノ酸のSS基/SH基をチオ硫酸基へ変換するOxone酸化あるいはthiosulfation処理を施した後に、HID-TCH-SP法によって生じたチオ硫酸基の電顕的検出を試みたが、Salmo gairdneriでは、その稚魚を用いた弾性線維形成過程での検索を含めて、明らかな陽性反応を示す細胞外基質構造は認められなかった。これに対して円口類やAnguilla japonicaでは、ROTO法でも観察されたmicrofibrilに、豊富な含硫アミノ酸の存在が示され、これらmicrofibrilが哺乳類弾性線維のmicrofibrilとアミノ酸組成的に類似していることが示唆された。弾性線維に、その形成過程を含めて、microfibrilが存在しない種のあることを明らかにした本研究結果は、microfibrilが必ずしも弾性線維の必須の構成成分でないことを示しており、microfibrilとエラスチンよりなる構造とが進化過程で二次的に関連を持つようになって高等脊椎動物に見られるような弾性線維が生じたという仮説を積極的に支持するものである。
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