Project/Area Number |
06671966
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小田 豊 東京歯科大学, 歯学部・歯科理工学講座, 助教授 (00085838)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | チタン / 腐食 / フッ化物 / ウ蝕予防剤 |
Research Abstract |
目的:近年チタンおよびチタン合金の補綴物や修復物が普及しつつある。チタンは表面に強固な不動態被膜を形成し、その保護作用によって優れた耐食性を示す。しかし、フッ化水素酸のような錯イオンを形成する酸の存在下では耐食性が劣るため、フッ素を含有する齲蝕予防剤などによる腐食が懸念される。フッ化物を配合した歯面塗布剤や洗口剤および歯磨剤は齲蝕予防剤として汎用されており、チタンおよびチタン合金修復物や補綴物への影響については若干の報告があるものの詳細な検討がなされていない。そこで、チタンおよびチタン合金の腐食に及ぼすフッ素イオン濃度およびフッ化物配合齲蝕予防剤の影響を検討した。 材料および方法:CPチタン、Ti-6Al-4V合金を用い電気化学的測定、変色および溶出量の測定ならびに腐食表面の観察を行った。齲蝕予防剤としては、フッ素濃度および緩衝剤の異なる歯面塗布剤2種、洗口剤1種、歯磨剤3種、を選択した。また、濃度の異なるフッ素イオン溶液としてフッ化ナトリウム0.025%〜2.0%の範囲で作製した。 結果および考察:チタンはフッ化ナトリウム濃度0.1〜0.5%の溶液では不動態範囲が認められるが1.0%以上では不動態を示さなかった。また、洗口剤は不動態範囲が認められたが、歯面塗布剤では不動態を示さなかった。酸性の歯面塗布剤では浸漬直後から発泡反応が生じ顕著な溶出と変色を示した。以上の結果は、フッ素濃度の高い齲蝕予防剤とチタン補綴物や修復物との接触が禁忌であることを示した。従って、フッ化物にも耐食性を示すチタン合金の開発、或いはフッ化物含有齲蝕予防剤の適用の制限など日常臨床で留意する必要がある。
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