Project/Area Number |
06672003
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 勝 大阪大学, 歯学部, 助手 (70187681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白砂 兼光 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30093420)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 軟骨細胞 / 骨誘導因子 / 分化誘導機序 |
Research Abstract |
軟骨細胞の分化は1)未分化間葉細胞の凝集、2)軟骨細胞への分化・成熟、3)肥大軟骨細胞への分化・石灰化、の3つの過程に分けられる。骨形成因子BMPはin vivoにおいて非骨原性の細胞を軟骨細胞・骨芽細胞へと分化させ、上記の3過程を模倣することができる。そこで我々はBMP-2を用いて未分化間葉細胞から軟骨細胞への分化誘導系を開発し、その分化過程を検討した。ラット胎児筋肉組織から分離した未分化間葉細胞株RMD-1,RME-1細胞は脂肪細胞への分化能を有し、I型コラーゲン、α-smooth muscle actinを発現する未分化間葉細胞細胞である。本細胞I型コラーゲン基質上に高密度に培養しBMP-2を添加すると高率に軟骨細胞に分化したが、このBMP-2刺激により細胞は一過性に増殖し、ノーザンブロットにより刺激後2時間からc-jun mRNAの発現増大が観察された。BMP-2と同時に細胞増殖阻害剤(ハイドロキシウレア)を添加しても細胞分化は起こることからBMP-2刺激による細胞増殖は細胞分化に伴う結果であることが示唆された。本細胞の分化過程に起こる細胞変化をノーザンブロット及びRT-PCRによるmRNAの発現、あるいは免疫細胞染色による蛋白の産生で検討すると、まず刺激後2日目からの副甲状腺ホルモン受容体mRNAの発現に始まり、4日目からII型コラーゲン、IX型コラーゲン、アグリカン、アルカリホスファターゼmRNAの発現が増大した。これに反しI型コラーゲンmRNAは細胞分化につれて減少し消失した。また蛋白レベルでは刺激後3日目にはテネイシン、VI型コラーゲンの発現増強が観察された。本細胞はビタミンCを培養液に添加することでX型コラーゲンを産生する肥大軟骨細胞へと分化したが、このX型コラーゲン産生は甲状腺ホルモンにより増強された。本細胞の軟骨細胞への分化はTGF-β1,2、インスリンにより若干の正の制御を受けるものの、BMP-2依存性であった。このBMP-2刺激は細胞分化を引き起こしつつ、c-Junを介し細胞を増殖させることが示唆された。この後に細胞は分化、成熟するが、分化マーカーとしてのII型コラーゲンの発現より副甲状腺ホルモン受容体、テネイシン、VI型コラーゲンの発現増強がより早かった。またいくつかのホルモンにより制御される肥大軟骨細胞へと分化する頃には副甲状腺ホルモン受容体、テネイシン、VI型コラーゲンの発現が減弱、消失することから初期の細胞分化に何らかの影響を及ぼしていることが考えられた。
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