Project/Area Number |
06672013
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
和田 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40182977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 昌和 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40189709)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 筋膜 / 上皮化 / 口腔 |
Research Abstract |
筋・筋膜弁の口腔環境における上皮化の機序についてラットを用い検討した。 (1)有頸節・筋膜弁の口腔への移植法の確立 6〜8週齢のウイスター系雄ラットを用いペントバルビタール麻酔下(40mg/kg)に種々の筋・筋膜弁を作成し、頬粘膜部に人工的に作った粘膜欠損部に移植し、その生着状態を観察した。当初は口腔に近接したm.masster supf.、m.sternomastoideusを用いたrandom pattern flapを試みが、全て壊死に陥った。試行錯誤の末、m.latissimus dorsiを用いたaxial pattern flapを応用したところほぼ100%の生着が可能となった。腋窩部に基部を持つ幅約1cm、長さ約5cmの血管束を含む筋・筋膜弁を作成し、頸部皮下のトンネルを通して口腔内に出し、5-0ナイロン系にて腔粘膜の切除断端に縫合した。以後本方法を用いて実験を遂行した。 (2)筋・筋膜弁の上皮化の機序の検索 上記方法にて口腔内に移植した筋・筋膜弁の生着状態および治癒状況について経日的に観察した。コントロールとして、頬粘膜上皮を切除後、断端部を5-0ナイロンにて粘膜下組織と縫合し、創面を露出させたまま放置したものを用いた。筋・筋膜弁移植群の一週間後の観察では粘膜欠損の大きさはやや縮小している程度であるが、組織学的には移植筋膜下には円形細胞浸潤は乏しく、肉芽組織の増生も軽度であった。その後粘膜欠損部は徐々に縮小し、三週間でほぼ全体が上皮化した。コントロール群では、一週間後には粘膜欠損部に豊富な肉芽組織の形成と著しい好中球を主体とする細胞浸潤がみられた。しかし、粘膜欠損創の修復は移植群よりも早く、約二週間で一部に瘢痕形成を伴ってほぼ完了していた。本実験結果から、筋・筋膜弁移植後の上皮化の機序として、周辺より中心に向かって徐々に上皮化が進行すると考えられた。すなわち、筋膜そのものには上皮細胞への形質転換能はなく、瘢痕形成を抑制しつつ、粘膜上皮の再生を誘導するものと考えられた。
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