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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
免疫抑制剤FK506(タクロリムス)ならびにラパマイシンを用いてラットにおける薬物誘発性歯肉肥大発現の実験を行った. 1.供試標品FK506(プログラフ)は,賦形剤のみのプラセボとともに,藤沢薬品工業開発本部(大阪)より提供された. 生後15日齢の雌雄フィッシャーラットに,FK506を8,15,30μg/gの濃度で粉末飼料に混和して40日間摂取させた後,歯肉肥大の程度と血中薬剤濃度を測定した.その結果, (1)ラットの体重増加(成長)に関しては,雌雄ともにこの量の範囲ではFK506の有無および量による影響はなかった. (2)雄ラットで8μg/gのFK506投与群は,下顎第一白歯および第二白歯の頬側(p<0.001),舌側(p<0.01)ともに歯肉溝は深くなっており,歯肉肥大の発現している可能性が示唆された. (3)雌ラットの歯肉については,第一白歯の頬側ではFK506の15μg/g群:575±28.1(平均±S.E.,μm),30μg/g群:605±21.7,対照群:540±37.1,舌側では15μg/g群:425±13.4,30μg/g群:455±22.9と対照群:390±23.3であり,FK506投与群の方が大きい傾向を示したが統計学的には有意の差を認めなかった. 2.供試のラパマイシンはWyeth-Ayerst Research(New Jersey,USA)に依頼して提供を受けた. 生後15日齢の雌Fischerラットに,ラパマイシンが50μg/gになるように調整した飼料を与えて40日間飼育し,生後55日目に歯肉肥大の程度を測定した. ラパマイシン投与群では,第一白歯の頬側は410±28.7(平均±S.E.,μm)であり,対照群は325±22.7,舌側では投与群の280±20.0に対して,対照群は200±22.4といずれも(p<0.05)有意に歯肉溝は深くなっていた.このことより,ラパアマイシンはラットの体重増加には影響を与えず,シクロスポリンに比べると程度は軽いが,歯肉肥大を誘発させる可能性が示された.
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