Project/Area Number |
06672172
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Keywords | コレステロール / 血管内皮細胞 / HMGCoA還元酵素 / HMGCoA還元酵素阻害剤 / LDL-コレステロール |
Research Abstract |
わが国の食生活、生活環境の欧米化に伴い、心筋梗塞、脳梗塞をはじめとする動脈硬化性疾患が増加の一途をたどっている。その危険因子の一つにLDL-コレステロールがある。これまで血清LDL-コレステロールを低下させる試みが数々なされてきたが、最近HMGCoA還元酵素阻害剤が開発され注目をあつめている。この薬剤は、細胞におけるコレステロールの生合成において鍵酵素として働くHMGCoA還元酵素の働きを止め、in vivoにおけるコレステロールの供給を遮断するため、強い血清コレステロール低下作用を発揮する。このためこの薬剤は現在世界各国で繁用されるようになった。HMGCoA還元酵素阻害剤は、血清コレステロール値を低下させるのみならず、各種細胞における細胞膜コレステロール含量を低下させる可能性があり、とくに血管内皮細胞におけるこの阻害剤の効果を調べておく必要がある。本研究では、培養した血管内皮細胞の培養液中にHMGCoA還元酵素阻害剤を添加し、血管内皮細胞のコレステロール含量の変化、またそれに伴う本細胞の遊走能の変化について詳細に検討した。LDLを除いた血清を10%含む培養液で、ウシ頚動脈由来の内皮細胞を2日間培養したのち、HMGCoA阻害剤を添加した培養液でさらに2日間培養し、細胞内のコレステロール含量を測定したところ、阻害剤を加えなかった対照群に比べ40%も低下していた。ついでこのコレステロール低下内皮細胞の遊走能を測定したところ、その遊走活性は対照群に比べ、逆に70%も上昇していた。動脈硬化の初期病変は、血管内皮細胞の障害であり、その修復には血管内皮細胞の遊走・増殖が必要である。本研究を行った結果HMGCoA還元酵素阻害剤が、血管内皮細胞の遊走能を増加させたことから、本薬剤が、血清コレステロール低下作用のみならず、血管内皮細胞の遊走能増強作用においても抗動脈硬化の作用のある有用な薬剤であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Publications] Ikeda,C.,Morita,I.,Mori,A.,Fujimoto,K.,Suzuki,T.,Kawashima,K,Murota,S.: "Phorbol ester stimulates acetylcholine synthesis in cultured endothe-lial cells isolated from porcine cerebral microvessels." Brain Res.,. 655. 147-152 (1994)
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[Publications] Akiyama,Y.,Hara,K.,ajima,T.,Murota,S.,Morita,I.: "Effect of Vitamin K2(menatetrenone) on osteoclast-like cell formation in mouse bone marrow cultures." Eur.J.Pharmac.,. 263. 181-185 (1994)
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