Project/Area Number |
06672180
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学部, 教授 (00098485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晋作 大阪大学, 薬学部, 講師 (70207728)
久保 一義 大阪大学, 薬学部, 助手 (00028846)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 血管新生 / ヘモグロビン / アガロースゲル / 細胞包埋 / 免疫隔離 / ELISA |
Research Abstract |
血管新生機序を解析・理解する為には、適当な血管新生モデルを用いた定量的測定が必須である。in vivoでの血管新生測定は古くから行われており、その代表的な評価法としてニワトリ卵漿尿膜法、ウサギ角膜法がある。しかしながら、いずれの方法も定量性、再現性に乏しいため、新しい優れたin vivo測定系の開発が急務となっている。本研究ではアガロースゲルに癌細胞を包埋することにより、異種細胞であって免疫隔離の状態で体内に移植することを可能とし、癌細胞が分泌する誘導因子により新たに新生血管が作られることを確認した。さらに、ヘモグロビンELISAで定量化することによる高感度のin vivo腫瘍誘導血管新生評価法の確立を試み、以下に示す良好な結果が得られたので報告する。(1)アガロースで包埋した癌細胞はin vitroにおいてfreeの細胞と同様に増殖し、10日間以上も生存した。(2)各種アガロース包埋癌細胞をマウス背部皮下に移植することで血管新生が顕著に誘導された。本系を用いることにより種々ヒト癌細胞の血管新生誘導能についても評価が可能となった。(3)サンドイッチELISAによるマウスヘモグロビンの定量法を確立し、ヘモグロビン測定による血管新生量の相対的定量を可能にした。本系は従来の血管新生測定系と比較して簡便性・定量性・感度に優れており、新規in vivo血管新生測定系として有用性が高いと考えられる。(4)アガロースゲル細胞包埋法およびマウスヘモグロビン-サンドトイッチELISA系を用いた腫瘍誘導血管新生測定系における既知の血管新生抑制物質の効果について検討した結果、従来の代表的血管新生評価法と比較して同等の効果が得られただけでなく、定量性に優れているため、より詳細な評価が可能となった。(5)ヒドロコルチゾンの血管新生阻害作用においてヘパリン併用による増強効果が知られているが、本系においては用いた癌細胞によりその併用効果が異なった。本結果は癌細胞により血管新生機序が異なる可能性を示しており、本系を用いた今後の血管新生機序解明が期待される。
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