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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,細胞レベルにおいて粘液分泌を誘発する要因を明らかにするために,in vitro杯細胞モデルとしてハムスター気管上皮細胞(HTEcell)培養系を用い,HTEcellからの粘液放出に対する刺激応答性について,基礎的な検討を行った.その結果,以下の成績ならびに結論を得た. 1.HTE cellからの高分子複合糖質(HMWG)の基礎放出は,少なくとも2時間までは直線性を示し,また,放出された高分子物質は,ヒアルロニダーゼに低抗性を示し,アルカリ処理により低分子化された.このことから,HTEcellは気道粘液と生化学的に類似した高分子複合糖質で安定して放出することが示された.さらに,HTE cellのHMWGの放出活性は,既存の促進物質ATPおよびPMAによって促進され,その放出は薬理学的に修飾が可能であると考えられた. 2.HTEcellのHMWG放出は,低pHおよびCa^<2+>・Mg^<2+>-freeの培養液中にて上昇し,低浸透圧および高浸透圧の培養液中にて低下した.このことは,培養液中のpH,浸透圧およびCa^<2+>,Mg^<2+>濃度の変化,すなわち物理的・化学的刺激によって調節されていることが示唆された. 3.HTEcellのHMWG放出は,器械的振盪刺激に対し,150〜300rpmにおいて振盪速度に依存した促進作用を示した.この放出促進作用は,可逆的であり,また,細胞傷害性を伴わないことより機能的な反応であると考えられた. 4.器械的刺激により誘発されたHMWG放出の経時的な解析より,この放出促進が一過性の反応であると考えられた.また,細胞内Ca^<2+>chelatorBAPTA-AM(3μM)ならびにprotein kinase inhibitor staurosporine(10nM)によって,器械的刺激によるHMWG放出が消失したことから,HTEcellの器械的刺激応答に細胞内Caイオンおよびprotein kinaseの関与が示唆された.
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