Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
玄米と野菜を主とした菜食を,45日間継続して実践するグループのボランティア(中高年)を対象として,体格,体組成,尿中窒素成分の変化をしらべた.本人が秤量し記録した食事記録から算出した摂取エネルギー量,タンパク質量,各自の所要量の50%にすぎなかった.一方ビタミン,ミネラルの摂取量は所要量を充足していた.ビタミンAやCの摂取量は所要量の5-8倍にも達していた. 体重は菜食摂取3週間後には,平均3.6±0.6kg減少したが,その後の3週間には変化が認められず,回復食,自由食摂取後3週間後にも体重のリバンドは認められなかった.体重減少量と,菜食摂取前と摂取中のエネルギー摂取量の差の大きさとは有意な正の相関が認められた.上腕,胸囲,腹位などの周囲径や皮下脂肪厚についても、体重減少と同様な傾向が認められた. 尿中窒素とクレアチニン窒素との比率,尿中ウレア窒素とクレアチニン窒素の比率は,摂取タンパク質量と正の相関が認められた.さらにこれらの値は菜食摂取3週間目に有意に減少していた.このことは,摂取タンパク質の減少を示すものと思われ、食事調査の結果にも対応していた。菜食終了3週間後にはいずれも有意に増加した。 低タンパク食であるにもかかわらず、除脂肪重量の減少量はわずかでり,体重減少量の70%は体脂肪の減少によっていた.体水分量は菜食6週間後に有意に減少していたが,体水分率としては有意に増加を示した.体水分率は正常値の範囲内であるが,水分の貯留がおこっているかどうかはさらに検討する必要がある. 緑黄色野菜を大量に摂取するこの菜食は、除脂肪重量の減少は少なく、通常の日常食に戻したときの体重のリバンドも認められず、高齢者が過剰栄養から種々の疾患を患っているときの,回復食として適当であると考えられる.
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