運動初期における中枢・末梢性発汗反応と皮膚血流量の応答に対する運動鍛練の影響
Project/Area Number |
06680113
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山内 正毅 長崎大学, 教育学部, 助教授 (00128232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 孝朗 熱帯医学研究所, 助手 (60199875)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 皮膚血流量 / 発汗反応 / 中枢性・末梢性発汗活動 / 長期運動鍛練 / 暑熱順化 / 発汗拍出頻度 / レーザー血流計 |
Research Abstract |
本研究ではこれまでの測定項目に皮膚血流の測定を加え、運動初期における皮膚温、血流量の変化と発汗反応(中枢性、末梢性機序)との関係を解析するとともに、この関係への運動鍛練による影響の検討を目的とした。 運動鍛練者(5名)と非鍛練者(5名)を被験者とし、人工気象室内26℃、60%rhの条件にて100〜120wattの一定運動強度で20〜30分の自転車運動を実施した。局所発汗量(カプセル法)、発汗量(体重法)、発汗波、鼓膜温、皮膚温、心拍数、皮膚血流量を連続記録した。尚、測定は被験者に実験の内容を説明し、本人の承諾を得て行われた。 両群とも運動開始とともに鼓膜温、皮膚温(chest,arm,thigh,leg)ともに初期降下を示し、特に大腿皮膚温は運動開始後8分まで急峻な低下を示した。他の皮膚温は運動鍛練者の初期降下が小さく運動中の上昇は急峻であった。運動中の発汗量、発汗拍出頻度は運動鍛練者で少なかった。また、運動鍛練者では、発汗開始時の拍出頻度は少なく(1-5回/分)、運動経過とともに徐々に増加したのに対し、非鍛練者では発汗開始とともに高拍出頻度(6-10回/分)を示した。前腕皮膚血流量は運動開始時にrestに比べてやや増加し、運動開始後2-5分にやや減少した。運動開始6分目よりしだいに増加し、8-12分で急激な上昇を示し、そのレベルを運動終了まで維持した。両群とも血流量の増加傾向は心拍数、体温の上昇傾向とほぼ対応した。拍出頻度との関係については本研究では明らかにできなかった。今後の検討課題としたい。 運動初期においても、長期運動鍛練者は少量の発汗と皮膚温の上昇によって体温をコントロールしており、これには中枢性および末梢性の感受性低下が寄与していると推察できる。これは、熱帯地住民に見られる長期暑熱順化と類似しており、大変興味ある結果であった。
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Report
(1 results)
Research Products
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