Project/Area Number |
06680139
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 悟 金沢大学, 教育学部, 助教授 (20176332)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | デイリーリズム / 時間地図 / 都市内システム / 都市地理学 / 時間地理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市内システムの一日における短期的・周期的変化、すなわちデイリーリズムを、時間地図に基づいて分析することであった。 実際の分析に当たっては、北陸の主要都市域の1つである金沢都市圈を、事例地域として選定した。そこで先ず本研究では、事例地域の位置づけを明確にするため、同地域の特性を他都市と比較しながら、イメージや社会・経済的観点から検討し、あわせて近年における交通条件の変遷についても調査した。 時間地図復元のための基本的な資料としては、パーソントリップ調査の未集計データを利用することとし、それらを独自に整理・集計・かつ必要に応じて欠損データの補足を行うことによって、都市圏内各地区間の平均所要時間を時間帯別に求め、さらにプール代数法の適用により最短時間距離行列を導出した。 上記データに対して多次元尺度構成法を援用することにより、時間地図を時間帯別に復元することができたが、これら時間地図の広がりを考察した結果、そこには朝夕の拡大と昼・夜の収縮があり、拡大は朝の通勤時間帯が夕方よりも明瞭で、一方で深夜から早朝にかけは最も収縮するものであった。 また、シンベル指数により時間地図内の近接性を計測した結果、各時間帯ともほぼ同様に、縁辺部から中心部に向かって近接性の向上する同心円的変化パターンを見せたが、詳細に検討すれば、このパターンは地形や交通条件により歪みが生じており、それは特に朝夕の時間帯に明瞭になるものであった。 加えて、通常の地図からの乖離度も分析した結果、上記近接性の場合とほぼ同様に、都市圏内では地形や交通条件が原因と考えられる乖離度の地域的・時間的差異があり、以上の諸点から、時間地図は規模の拡大と収縮、歪曲の増大と減少の繰り返しにより、都市内システムのデイリーリズムを支配しているといえた。
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