Project/Area Number |
06680175
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
杉本 良一 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (10226467)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 理科実験・観察 / 情報処理能力 / エピソード記憶 / 理科嫌い |
Research Abstract |
本研究は児童・生徒及び大学生のもつ過去の理科の実験・観察に対するエピソードなどを調査・分析することにより,実験・観察における子どもの情報処理能力の向上をはかるための研究を行った。大学生及び児童・生徒合計750名の過去の理科実験・観察に関するエピソード記憶を分析した結果,以下のような点が明らかになった。 (1)小学校の理科実験の記憶は中・高・大学生ともに,数多く保持されていることが分かった。小学生がよく記憶して楽しいといった実験は大学生でも同様の傾向がみられた。 (2)すべての校種において否定的エピソードよりも肯定的エピソードを持つものが多いことが分かった。 (3)高校・大学生では,特に化学分野に関する実験などをよく記憶しており,また,否定的エピソードを持つ実験・観察に,薬品を用いたものや生物の解剖を挙げている。 (4)中学校・高等学校では理科の成績と肯定的エピソードに弱い相関関係がみられた。また,小・中学校で理科嫌いと肯定的エピソードの間に負の相関がみられた。 特に小学校段階の理科学習での理科の実験・観察に関するエピソードが後の理科学習への態度形成に大きな影響を及ぼしていると考えられる。否定的なエピソードの記憶は,肯定的なエピソードを持たせてくれる経験に対して,後込みさせてしまうことにもつながる。理科学習の実験・観察の指導にあたって,肯定的エピソードが得られるような工夫をする事が望ましいと考えられる。理科の目標である自然に対する知識・理解すなわち概念形成はもちろんであるが,感情に訴えるような指導法・良い記憶に残る実験・観察,楽しい雰囲気の理科授業というようなことも留意する必要がある。今後の課題としてさらに具体的・実践的な方法を探る必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)