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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
栃木県宇都宮市郊外の大谷地区の地下には,良質な建設用石材として名が知られる大谷石(おおやいし)の長年の採石の結果,地下に夥しい空洞が残されている.このため,死者,家屋損壊を含む地盤陥没災害が繰り返し発生しているが,過去の陥没事故においては,その発生時刻と地球潮汐との間に高い相関関係が認められた.本研究では,これらの陥没の発生予測及び防災対策に資することを目的として,高精度の地震観測を実施してきた.微小規模の空洞破壊振動(AE)を捕らえ,地球潮汐に起因する応力変化とAEとの関係,AEの規模頻別度分布,波形スペクトルの特徴等を調べている.大谷地区のAE観測は平成6年9月より開始し,現在(平成7年3月)も継続中である.具体的には,大谷石採石場内に固有周波数2Hzの微小地震計を設置し,信号を増幅した後,サンプリング周波数100Hz,分解能14bitでA/D変換し,ノート型パソコンのハードディスクに連続で収録している.観測データは,研究室においてワークステーションに転送される.微小なAE波形記録はワークステーションのグラフィック画面上で拡大され,フィルタリング操作を施すことにより,効率よく地震動や人工的振動と区別し整理している.これまでの観測期間には,20Hzを越える高周波成分を含む,10^<-5>m/s程度の最大振幅,約0.6秒の継続時間を持つAEが観測されている.AEの規模別頻度分布,地球潮汐に起因する応力変化とAEの発生の相関関係等の統計的な解析は,観測終了後(平成7年4月)に行う予定である.
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