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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
慣性核融合においては,爆縮の過程でつくられるイオンと縮退または半縮退の電子系の混合物としてのブラズマの精度のよいシミュレーションが必要である。また,半導体中の電子プラズマの振る舞いは半導体デバイスの特性に直接関係している。超格子構造などを利用した新しい機能をもつ素子の開発においては,電子が量子力学・量子統計によって記述されることが本質的に重要である。このようなプラズマの量子シミュレーションでは,電子系が連続的自由度をもつ波動関数で表されることに主な困難がある。さらに,電子間の相互作用を取り入れる必要があるを考慮すると,通常の計算方式では,シミュレーションのできる系の大きさには大きな制約があり,並列計算の手法の開発が必要である。 1.まず,自己無撞着な場としての電場を求めるには,問題に対応する境界条件ではポアソン方程式を解く必要がある。我々は,工学分野で広く用いられている有限要素法を適用してこの方程式を解く計算システムを開発しているが,この部分に,空間分割による並列化を行った。数学的には,これは,本来,結合した大きな係数行列をもつ線形方程式を多くのより小さな係数行列をもつ方程式の集まりに書き直すことにあたる。 2.(1)電子間の相互作用を密度汎関数法で取り入れると,多体系としての電子系の振る舞いは密度汎関数理論の与えるポテンシャルの中の1体のシュレ-ディンガー方程式を自己無撞着に解くことで近似的に表せる。運動エネルギーの演算子はラプラスの演算子であるので,定常状態については,1.と同様な手法が適用できる。(2)動的なシミュレーションのためには,波動関数の時間発展演算子を時間幅についてテイラー展開して,1.の方法と組み合わせる必要がある。現在,この部分に対応する計算コードを開発しつつある。
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