2シンチレータ法による炭素の中間エネルギー中性子の2重微分断面積の測定
Project/Area Number |
06680466
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
エネルギー学一般・原子力学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秦 和夫 京都大学, 工学部, 助教授 (70109023)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ダブルシンチレータ / 炭素 / 中性子断面積 / 2重微分断面積 / (n,xn)断面積 / 中間エネルギー中性子 |
Research Abstract |
ダブルシンチレータ法により、第1シンチレータの時間信号から中性子エネルギーを選択し、第1シンチレータと第2シンチレータ間のTOF測定から、2重微分断面積を与える方法を考案し、この方法による高エネルギー中性子対する炭素の2重微分断面積の測定の可能性を実証する事を目的として研究を行った。 測定は東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターで行った。実験では、35MeVに加速したpを薄い天然Liターゲットに入射させて生成する準単色中性子を線源とした。線源から約12m離してコリメータを介して、第1シンチレータのプラスチックシンチレータを、そこから22°,50°、120°方向に約50cm〜100cm離し、第2シンチレータのNE-213を置いた。データ解析では、n-γ弁別を施した両シンチレータ間のTOFデータに、ターゲットであるプラスチックシンチレータ内の線源中性子の減衰、生成2次中性子の減衰の補正を施し、検出効率の補正をして2重微分断面積を得た。 以上のようにして得られた結果は、高エネルギーの大きなピークと低エネルギーのテ-ルから成っており、ピークがシンチレータを構成する水素の散乱によるものと考えて絶対値がよく説明された。このことから、測定は正しく行われており、テ-ル部が炭素のBreakup反応に伴う中性子であることが明らかになった。50°では第1シンチレータのディスクリレベルをさらに下げて測定したところ、予想通りこの部分の中性子収量が増加し、さらにピーク部にも炭素からの中性子が含まれていることが分かった。後方では、測定された中性子束は非常に小さく、2次中性子放出の非等方性によると考えられた。以上のように、ダブルシンチレータ法をC(n,xn)2重微分断面積の測定に応用することが可能であることが示された。 今後、2シンチレータ間距離を大きくして分解能の向上を図ること、第1シンチレータのディスクリレベルをさらに下げ、炭素の弾性、非弾性散乱まで測定すること、水素の寄与の小さいより高いエネルギーで測定を行うことなどにより、信頼性の高いC(n,nx)データが得られるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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