環境財の計測・評価システムに関する計画学的アプローチ
Project/Area Number |
06680528
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
加藤 修一 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80003218)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1994: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 環境財 / 計測・評価 / 経済価値 |
Research Abstract |
地域開発プロジェクトにおいて、その便益を計測・評価することは、極めて重要なことは言うまでもない。近年、環境改善に伴う便益を計測・評価する機会が増加して来ているが、本研究は、水環境にかかる事業を事例とし、とりわけ新規事業の展開が著しい、河川環境整備事業を取り上げた。近年の河川事業は従来の治水、利水事業に加えて、多自然工法、河川敷の環境整備に見られるように親水性など従来無視されがちであった機能が着目されており、河川の持つ機能拡大が著しく展開して来ている。この河川が持つ総価値は使用価値、非使用価値に大別されるものの、現在これらの価値に対応する計測・評価の方法が十分整備されているとはいい難い。ここでは、親水性などにかかる使用価値の一部について便益の計測・評価を試みる。計測に際しては、生活環境の多属性を考えて、その一つとして「水辺・河川敷の利用」を取り上げ、住宅立地の多属性効用問題としてアプローチする。環境財は一般に非市場財であることから「仮想的な市場」を一対比較質問として票上に構成して、流域の住民個々人へのアンケート調査を行い、この結果に確率的判断モデルを適用し、結果としてマネタリータ-ムで表す評価システムを構築したことにある。 対象河川流域の環境整備事業に伴う便益の計測結果は、年間数十億円のオーダーになり、流域への効果が大きいことを示している。この結果は強い仮定に基づいているため、今後とも研究の積み重ね、またその他の方法との比較研究が残されているが、環境財の使用価値・非使用価値の計測・評価に向けた一つの有力な方法になり得る可能性があるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)