Project/Area Number |
06680563
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井上 謙一郎 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40025713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40210554)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Keywords | ナフトキノン / ベンゾキノン / 生合成 / 生合成中間体合成 / 培養細胞 / ムラサキ科 / ポリプレニルヒドロキノン / 非酵素的閉環反応 |
Research Abstract |
本年度計画中、現段階ではムラサキ培養細胞のシコニン生産株が安定していないので、生合成中間体およびその類縁体の合成とそれらを用いた非酵素的反応を中心に検討した。 まず、prenylated hydrobenzoquinone(HBQ)の合成を行った。以下の合成においてはHBQをmethoxymethyl chlorideで処理することにより得たdimethoxymethylated HBQ(MOM-HBQ)を出発物質とした。myrceneを位置特異的にエポキシ化し3,10-epoxymyrceneを得た。このepoxideを塩基の存在下MOM-MBQと反応させた後、CF_3COOHで保護基を除去し目的の10-hydoxygeranyl-HBQ(1)を合成した。nerolidol(C_<15>unit),geranyllinalool(C_<20>unit)をPBr_3で各々対応するブロミド体を調製し、それぞれをMOM-HBQと反応させた後、保護基を除きfarnesyl-およびgeranylgeranyl-HBQを合成した。nerolidolとgeranyllinaloolを用いて1の場合と同様な合成経路で、各々15-hydroxyfarnesyl-および20-hydroxygeranylgeranyl-HBQを合成した。 他方、シコニ生成能を欠くムラサキ懸濁培養細胞にシロニン生合成中間体geranyl-HBQを投与したところ、geranybenzoquinone,benzopyran型、酸化度の低いnaphthoquinone型などの代謝物と共に、4種の新規骨格のbenzoquinoneと、構造未詳ではあるが、2種の新規骨格のdihydrobenzoquinone型と予想される代謝産物が単離された。後6者は、geranyl-HBQを培地と振盪しても低収率ながら得られることから、非酵素的反応による生成物と考えられ、それらの構造よりその閉環機構は理解できるが、酸化因子が不明である。酸化反応への培地含有金属の関与について種々検討しているが、現段階では明白な結果が得られていない。今後さらにこの問題を検討すると共に、ムラサキ培養細胞を用いたシコニン生合成実験あるいは上記の合成した種々のprenylated HBQの生物変換による生成物の構造の比較より、シコニンの酵素的、非酵素的閉環機構を解明する予定である。
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