神経系の発生分化におけるポリADPリボース合成酵素の役割
Project/Area Number |
06680609
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宇城 啓至 三重大学, 医学部, 助教授 (10151854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栢原 哲郎 三重大学, 医学部, 助手 (20024705)
中野 勝磨 三重大学, 医学部, 教授 (30024623)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | クロマチン蛋白 / ポリADPリボース合成酵素 / 脳 |
Research Abstract |
神経細胞は特別な分化をとげた細胞で、発生過程の終了後、細胞分裂を行わなくなる。このような神経細胞の分化過程に、細胞核での蛋白修飾反応がどのような役割をはたしているかを明らかにする目的で本研究を進めている。 ポリADPリボース合成酵素は、細胞核蛋白のポリADPリボシル化反応を触媒する酵素であり、細胞の増殖分化の制御や細胞DNA鎖の損傷修復に関与していることが示唆されている。しかしながら、神経組織の形成過程で本酵素がどのようにかかわっているのかは不明な点が多い。そこで今回、脳の発達にともなう本酵素の動態を明らかにすべく、各発育段階のラット脳を用いて、アクティビティーゲル(Activity gel)による本酵素の活性測定や、モノクローナル抗体を用いたイムノブロット法によって本酵素蛋白の定量を行った。その結果、ポリADPリボース合成酵素の活性は、胎生期の脳で最も高く、出生後は加齢とともに漸減し、75週齢では出生時の約50分の1であった。このような組織の成熟にともなう本酵素活性の減少は、大脳以外の中枢神経組織である小脳や脳幹においても同様であった。中枢神経組織以外でも、例えば睾丸においても、加齢にともなう本酵素の減少は見られるものの、神経組織ほど顕著ではなかった。以上のアクティビティーゲルによる本酵素活性の動態は、イムノブロット法による本酵素蛋白定量の結果と一致した。従って、組織の分化が進むとともに本酵素の発現が抑制される機構が、とくに神経組織において働いているものと考えられる。現在、中枢神経組織における本酵素の発現調節機構の究明を行なっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)