Project/Area Number |
06680614
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30179569)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 膜融合 / 小胞輸送 / ホスホリパーゼA_2 |
Research Abstract |
分泌系タンパク質の細胞内輸送はオルガネラをつなぐ小胞によって媒介されている。N-エチルマレイミド感受性因子(NSF)はゴルジ体内小胞輸送において小胞とターゲット膜のドッキングもしくは融合を司るタンパク質として発見された。NSFはsoluble NSF attachment proteins(SNAPs)、SNAP receptor(SNARE)と複合体を形成し、ゴルジ膜に結合している。この複合体はMg^<2+>-ATPによって分解し、NSFは膜より遊離する。私達はNSFが脳と副腎に多量に発現していることを見いだし、NSFが脳においては神経伝達物質の開口分泌を司るシナプス小胞に結合していることを示した(Hong et al.(1994)FEBS Lett.350,253-257)。シナプス小胞に結合しているNSFはゴルジ膜に結合しているものとは異なり、Mg^<2+>-ATP処理では膜から遊離しなかった。副腎髄質由来のPC12細胞をジギトニン処理して細胞膜に穴をあけたセミインタクト細胞を調製し、この細胞を用いてNSFの膜への結合様式を調べた。その結果、SNAPが多量に存在するとMg^<2+>-ATPが存在してもNSFはゴルジ膜から遊離しないことを見いだした。しかしながら、PC12細胞のシナプス小胞に結合したNSFはSNAPが存在しなくてもMg^<2+>-ATPによって膜から遊離せず、NSFのシナプス小胞への結合様式についてはさらに研究が必要であると考えられた。NSFは2箇所の相同なヌクレオチド結合部位を持つATPaseであるが、この2箇所のヌクレオトド結合部位の役割を調べるために、部位特異的変異導入法を用いて変異NSFを作成した。その結果、両方のヌクレオチド結合部位とも小胞輸送活性とATPase活性に重要な役割をしていることがわかった(Sumida et al.(1994)J.Biol.Chem.269,20636-20641)。 また、膜透過可能なホスホリパーゼA_2阻害剤であるノルジヒドログアイアレチン酸がタンパク質の小胞体からゴルジ体への輸送を阻害することを見いだした。この化合物の阻害する段階は小胞の融合であり、輸送が抑制された結果として小胞体におけるシャペロンのGRP-78が誘導されることがわかった。
|