Project/Area Number |
06680718
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東 雄二郎 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (30181069)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 発生 / マウス胚 / 中胚葉組織 / 転写制御因子 / Znフィンガー / δEF1 / 標的遺伝子組み換え法 / Tリンパ球 |
Research Abstract |
ニワトリの水晶体特異的に発現するδ-クリスタリンのエンハンサーに結合する因子として同定されたδEF1は、エンハンサー活性に必要なエレメントをアクチベータ-と競合することにより、その発現を負に制御している。δEF1はN末端側とC末端側にZnフィンガー、その中央にホメオドメイン様配列を有している。δEF1がそのC末端側Znフィンガーによって結合するCACCTという配列は、あるbHLH型のアクチベータ-タンパクの結合する配列、E2-box(CACCTG)と重複しており、δEF1がE2-boxを介した転写活性化に対する抑制因子として働き、組織形成過程を広く制御していることが推測されている。また現在までに4種類のδEF1ホモローグがそれぞれ別の遺伝子発現制御領域に結合する転写抑制因子として同定されている。 マウス胚発生過程においてδEF1は、筋肉系、神経系の他、多くの器官の間充織細胞や胸腺において発現している。我々はδEF1の生体内での機能を個体レベルで解析する目的で、ジーンターゲティングによりδEF1のDNA結合に重要であるC末端側のZnフィンガーを欠損したδEF1変異マウスを作製した。 δEF1ヘテロ変異マウス同士の交配から得られた胎仔の遺伝子型を調べたところ、ホモ変異マウスの多くは、生後2日以内に死亡することが明かとなった。組織学的な解析から、ホモ変異マウスではT細胞分化の場である胸腺の縮小が観察された。このことをさらに検討するために、18.5日胚の胸腺細胞(thymocyte)を解析したところ、ホモ変異マウスでは胸腺細胞数が野生型の約1/10に減少していた。さらにFACS(Fluorescence activated cell sorter)による解析からホモ変異マウスの胸腺においては、野生型と比較してCD4+/CD8+のマーカーを持つプレT細胞の細胞集団が相対的に減少していた。 さらに、一部の生残した成体ホモ変異マウスにおいても免疫系の異常が観察された。それらの個体のリンパ球を解析したところ、ホモ変異マウスではCD4-/CD8+T細胞が減少していることが明かとなった。現在、他のT細胞分化マーカーを用いて、ホモ変異マウスにおけるT細胞をさらに検討中である。
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