Project/Area Number |
06680800
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 菊郎 北海道大学, 医学部, 助教授 (70091486)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 滑動性追跡・眼球運動 / 適応性利得学習 / 定速度刺激 / 開ループ条件 / 前頭葉眼球運動関連領野 / 前頭葉障害患者 / 覚醒サル |
Research Abstract |
滑動性眼球運動の発現及び適応性利得学習に前頭眼野がどのように関わるかを調べることを最終目標として、2つのシリーズの実験を行った。(1)正常人及び精神分裂病を含めた前頭葉機能障害患者を用い、テレビ画面に提示した指標をstep-ramp状に一定速度(通常10度/秒)で動かし、滑動性眼球運動の反応時間とその開始時点での利得を調べた。更に適応性利得変化を起こさせるために、指標を予め一定速度(5度/秒、速度1)で動かし、その追跡中により早い速度(10度/秒)で動かし(速度2)、眼球がその追跡を開始すると同時に異なった速度(速度3)で動かすことにより、速度2に対する利得を変えさせるよう学習させた。指標速度3は、速度2よりも更に速い場合(20度/秒;利得上昇課題)と遅い場合(5度/秒;利得低下課題)で比較した。学習課題は一方向のみで与え、コントロール課題は指標速度1と2のみを与えた場合の、2に対する滑動性眼球運動の開始時点での利得として、学習課題の前後で比較した。(2)同様の課題をサルを用いて訓練を開始した。結果:(1)これ迄の検査で両群の反応時間には有意差はなかったが、利得は患者群で低く、特に開始時点での加速度には差はないが速度が低いことから、この加速度を維持する機構の異常が推定された。正常人での学習課題では100-200回で有意な変化を起こし、利得上昇課題では20-50%の上昇を、利得低下課題でも10-30%の低下を起こした。更にこれらの利得変化は方向特異性を持ち、学習させた方向で有意な変化を起こした。これらの結果は滑動性眼球運動の発現時の利得が適応性に変化し得ることを示す。この適応に前頭眼野が関与するかどうかについて、患者群で現在検査中である。(2)サルはすでにstep-rampによる訓練が終わり、現在適応性利得学習課題の訓練中であり、これが出来次第、前頭眼野のニューロン活動の記録を始める準備を整えている。
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