神経突起末端部における神経細胞膜蛋白質HPC-1の機能に関する生理学的研究
Project/Area Number |
06680814
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
山口 和彦 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 公朗 杏林大学, 医学部, 教授 (80129303)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | HPC-1 / シンタキシン / Caチャネル / パッチクランプ法 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 脊髄後根神経節 / 海馬 / 培養神経細胞 |
Research Abstract |
本研究は神経特異的膜HPC-1/シンタキシン-1の機能を阻害させたときに、神経細胞の機能にどのような影響が出るか、特に膜に存在するイオンチャネルや各種レセプターの機能にどのような影響がでるかについて調べた。以下当該年度における結果を記す。 (1)アンチセンスオリゴヌクレオチドによる阻害実験:比較的太い神経突起末端部を持つ神経節細胞の無血清培養系を成体ラット脊髄後根神経節細胞を用いて開発し、神経突起末端部膜にNaチャネル、Kチャネル、L型Caチャネル、N型Caチャネルが存在することをパッチクランプ法により見いだした。また、fura-2蛍光画像解析法によりN型とL型の先端部における分布パターンが異なる事を見いだした。HPC-1蛋白質の発現を抑える目的でHPC-1 mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを適用し2日間培養したところ、神経突起の形態が大きく変わり、分岐の多い極めて細いものとなり、パッチクランプ法の適用が困難となったが、HPC-1の新たな機能として細胞骨格系との相互作用により、神経細胞の形態形成にも関与していることが明らかになった。 (2)パッチ電極による抗体の細胞内投与実験:シナプス伝達の関与するCaチャネル、グルタミン酸受容体などとHPC-1の関係を調べるためにラット海馬神経細胞の培養系においてホールセルクランプ法によりパッチピペットより抗HPC-1抗体を細胞内に投与し、シナプス伝達物質(グルタミン酸)に及ぼす効果を検討した。HPC-1抗体投与により発生する興奮性シナプス後電位の大きさは増加する傾向がみられた。しかし、素量子応答の大きさは変わらないことから、グルタミン酸受容体の感受性はHPC-1抗体の影響を受けず、また反応潜時も影響を受けない事からCaイオンの細胞内拡散にも影響がなく、シナプス顆粒の融合放出にHPC-1が抑制的に関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)