Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
この研究は,ヒトの顎の運動の制御メカニズムを明らかにするために,自律動作する顎運動シミュレータ(ロボット)を開発することを目的としている.そこで我々は,本年度以前に,ヒトに近い解剖学的構造をもつ顎運動ロボットの本体と咬合力センサを試作した. 本年度の研究では,まず咀嚼筋アクチュエータを開発した.その駆動にはエンコーダ付のDCサーボモータを用い,ワイヤを介して下顎部を牽引する.ワイヤー張力は,カンチレバ-型のワイヤープ-リ支持部に貼付した歪みゲージで検出する。ワイヤー長は,モータに付属したロータリ・エンコーダで検出する.このアクチュエータの制御は,位置と張力の両方のフィードバックをもつインピーダンス制御とした.この制御系は,等張性収縮では位置制御として機能し,等尺性収縮では張力制御として機能する.かみしめ力はバネ定数に相当する一つのパラメータで調節できる. 次に,上記のアクチュエータを左右咬筋,左右側頭筋として,顎本体に装着した.ワイヤーの牽引方向は,対応する実際の筋の走行と一致させた.咬筋の目標軌道は,開閉口させるために,正弦波状に変化させた.また,外側翼突筋アクチュエータも実際の筋活動に類似した軌道を与えた.開閉口運動における咬合接触と咬合力を両側で同じにするために,各アクチュエータの目標軌道にいくつかのパラメータを設け,それを咬合力センサと張力センサの出力を用いて逐次最適化した.実験の結果,開閉口運動を何回か繰り返すうちに,咬合接触と咬合力における両側での均衡を実現できることを確認した.
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