Project/Area Number |
06710095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 均 大同工業大学, 工学部, 講師 (90257577)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 社会的交換 / 援助行動 / ボランティア活動 |
Research Abstract |
今年度の研究計画に対しては、以下のような形で研究継続中である。 (1)対人相互場面の援助行動として、実験的に援助場面を設定することに極めて問題があり(実質的な問題と倫理的な問題)、実験室での実験は見合わせることにした。代わりにいわゆるボランティア活動を行っている人の状況を面接調査し、何人かの活動家から「援助行動」と「対人相互作用」について話を聞いた。その結果、援助行動において社会的交換という意識は希薄であり、彼らによればボランティア活動自体は、こちらの当初の基本的考えにあった資源の交換という概念にたつものではなく、むしろ共同体として成立し、「援助-被援助」の関係としては認識されないということであった。しかし彼らが援助活動を行うことにおいて自分の家庭や周囲の人間からの援助があるという報告もあり、ボランティア活動を取りまく全体的な人間関係のなかで総合的に相互扶助が行われていることが明らかにされた。今後も引き続き、ボランティア活動に焦点を当てて研究を続けていく。 (2)調査については、ボランティア活動を中心的概念に捉えて、その経験や活動内容を大学生に対して尋ねた。実際には、今回の調査対象の中でそのような援助的活動を経験した者は少なく、資源がどのように交換されているかを記述するには不十分であった。現在、分析の過程ではあるが、本年1月の阪神大震災後に改めて調査を行った結果、様相が当初とは随分違うことが明らかになり、今後の研究方針を検討中である。阪神大震災における援助活動は、今までにない規模の大きさと緊急場面での援助活動ということで注目に値し、上記の(1)とともに今までの考え方では説明できない部分を多く含んでいる。放って置くわけにいかないので、この行動について今後詳細に研究を続けていく。
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