Project/Area Number |
06710124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Osaka Women's University |
Principal Investigator |
上村 隆広 大阪女子大学, 学芸学部・人間関係学科, 講師 (70244621)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ライフスタイル / 政治文化 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究では、戦後ドイツの社会文化的特質を考察する上でライフスタイルという視点がもつ意義を探るために、ドイツでのライフスタイル研究の現状を概観し、さらにこれを日本社会の問題へと連結させる比較社会学的視角の獲得をめざした。研究のなかから浮上してきた問題点として、以下の諸点を指摘することができる。 a.まず、70年代以降日本を含めた先進諸国で顕著になった新たな政治文化の動態に影響を受けて、ひとの生き方への問いを包括する社会学的な概念としての「ライフスタイル」が次第にその重要性を増しつつあるが、理論的な準拠枠としての整備という点では、依然ウェーバーに代表される古典社会学者の問題設定を脱しきれない部分が大きい。近年徐々に進められつつある新しい理論研究をさらに追尾する必要性を認識した。 b.また経験的研究の分野においても、先行して成果を挙げた消費にまつわるライフスタイル研究の影響が大きく、これを発展させて広義の政治文化にまで射程を広げた研究は依然として乏しい。さらにそこに戦後史の流れをふまえた比較文化史的な問題意識を持ち込んだものは皆無に等しい。ドイツにおける実証研究を扱った文献の収集をさらに進め、基本的な研究動向を一層明確にしていかねばならない。 今後の課題として最優先と考えられるのは、やはりa.に関わる、ライフスタイル概念の理論的位置づけの明確化であろう。これを推し進めない限り、問題連関の大きさに対応できないまま細分化した個別研究に終始する危険がある。この点を自覚的に克服できる理論枠組が構築されねばならない。
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