Project/Area Number |
06710139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
溜池 善裕 秋田大学, 教育学部, 助教授 (60260452)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 国際理解教育 / オーストラリア / ニューサウスウェールズ州 / カリキュラム / 社会科教育 |
Research Abstract |
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の1980-90年代における教育改革の概要とそのプロセスを明らかにするために資料を収集し、連邦主導による教育改革と州の教育改革との連動性を明らかにした。その結果次の点が明らかになった。1.連邦の教育改革は次のように進められた。(1)87年に三選されたホ-ク政権の元で、雇用教育大臣John Doawkinsは、"Strengthening Australia's Schools,1988"によって、景気回復のための国家規模の取り組みの必要性を主張し、A Common Curriculum Frameworkの開発を提唱。(2)オーストラリア教育審議会は、89年までにすべての州、直轄区の教育課程を調査し、ホバ-トで同年4月に開催されたオーストラリア教育審議会において「学校教育に関するホバ-ト宣言」を採択。(3)カリキュラム策定作業に係る教育課程関係資料の開発と出版は、Australia National Curriculum Corporationで行われることとなり、90年1月に発足、"Studies of Society and Curriculum Map,Part A,Part B,1991"を発行。2.国際理解に関わるものは、Studies of Society and Environmentである。これについては、93年に A National Statement on Studies of Society and Environment for Australian Schools,1993が開発され、オーストラリア教育審議会で同意を得るための協議・調節が行われている。3.国際理解に焦点をあてた学習として、アボリジニ-とト-レス諸島の人々、英国・アイルランド・スコットランド・ウェールズに起源をもつオーストラリア人、非英語文化圏のオーストラリア人、の文化的側面、アジア太平洋地域における他の社会や文化へのオーストラリア政策の影響、が設定されており、スコープとしてAboriginal and Torres Straight Islander の視点が導入されている。4.ニューサウスウェールズ州ではK-6において、human society and its environmentが実施され、連邦の教育改革において策定されたカリキュラムと関連している。しかしながら、州の事情に重点をおき、連邦カリキュラムとの関連を示唆する資料は発表されていない。 以上の事実をもとに次の点が結論される。(1)連邦によって策定されたプログラムは、オーストラリア経済の景気回復に傾斜しており、国際理解もその目的のもとに位置付けられている。(2)国際理解については、州教育局は自州の事情を最優先するために、連邦の意図との若干のずれがある。(3)移民増加によって必要となる多文化主義教育・多民族教育および国際理解教育は、国家的要請としての経済活動の活性化に向けて一元化される部分をもちながらも、純粋に教育的な部分は一元化されずにはみだすことになる。(4)オーストラリアにおける一元化からはみ出た部分の研究をすすめることにより、国際理解教育プログラムにおいて根幹をなす概念を導き出すことができる。
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Report
(1 results)
Research Products
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