近代日本の自由主義的体育教育実践に関する歴史的研究
Project/Area Number |
06710157
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木原 成一郎 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (20214851)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 成城小学校 / 島田正蔵 / 実践的研究方法 / 体育の改造 / 川口英明 / 奈良女高師付属小 / 木下竹次 / 体操科の内容編成 |
Research Abstract |
本年度は、次の二つの課題に取り組んだ。 1.大正末から昭和初期にかけて、成城小学校の訓導、島田正蔵によって取り組まれた体育改造論を対象に、現場教員による実験的研究方法の自覚という点から検討を行い次の結果を得た。(1)島田の体育論は、さまざまな身体運動の独自の特質を損なうことなく、教材としてそれらを編成する内容編成論を持っていた。(2)ただし、島田の体育論には、個人の身体の自由の保障という近代的な人権認識に関して時代的制約が見られた。(3)島田は、「競技」の過程が教育の目的達成に貢献する根拠を、「競技」に内在する運動技術そのものに求めず、「競技」を実行する子どもの「精神」に求める。これは、教育一般の目的を達成するために、体育の果たす固有な役割を曖味にする危険を含んでいた。(4)島田は、自分が子どもに教育的に働きかける過程そのものを実験的な研究の過程と考えていた。この研究成果の一部は、拙稿「成城小学校における体育の改造--1920年代の島田正蔵による体育研究」として、稲葉宏雄編著『教育方法学の再構築』(あゆみ出版、1995年3月発行予定)に発表した。 大正末から昭和初期にかけて、奈良女子高等師範付属小において、「学習法」の立場から体育の改造を勧めた木下竹次と川口英明に関する資料の収集を行った。木下に関しては、その著者『学習原論』及び『学習各論』、川口に関しては主著の『体育学習の実際』及び『学習研究』に発表の論稿を中心に文献資料を収集した。また、戦中から戦後にかけて奈良女子大付属小教論として体育の実践的研究を進めた土谷正規氏から聞き取りを行い、昭和初期の奈良女高師付属小の体操科の授業を撮影した写真数点の資料を入手した。これらの木下や川口の体育改造の理論と実践に関する研究成果は、今後発表する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)