道徳教育における環境教育の実践に関する研究-「生命に対する畏敬の念」に基づく環境倫理の育成
Project/Area Number |
06710178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
西野 真由美 国立教育研究所, 教科教育研究部, 研究員 (40218178)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 道徳教育 / 環境教育 / 環境倫理 |
Research Abstract |
1.環境倫理に関する比較思想的・文化論的考察 自然と将来の世代への責任をテーマにした環境倫理学は、現代倫理学の主要な研究課題の一つに位置づけられる。本年度の研究では、A.K.トレメル、P.W.タイラーなど、従来の人間中心の倫理学を越えて、自然と人間の関わりを倫理の根本に据えた思想を中心的に研究し、東洋的自然観との接点を比較思想的に考察した。また、現代アメリカの倫理学、とくにR.N.ベラー、A.マッキンタイヤーらのコミュニタリズムにおける共同体の倫理形成能力に関する研究を参照しながら、日本文化の伝統的的倫理・道徳の今日的意義について考察した。 これらの研究成果をふまえ、「生命に対する畏敬の念」という日本の伝統的な自然観が、現代の環境倫理の文脈のなかで、新しい役割を果たしうる可能性をもつことを明らかにした。 2.環境倫理に関する教材・資料の収集と分析 『ベオグラード憲章』、『トビシリ勧告』、国連人間環境会議勧告等、環境教育の推進に関わる資料を分析し、環境倫理に関わる教材を作成するための指導原理を抽出した。その際、とくに、環境に関わる態度として、どのような価値観の育成が道徳教育において求められているかを明らかにした。 また、全国の小・中学校の環境教育の実践事例を収集し、これらの実践のなかで道徳教育がどのような役割を果たしているかを具体的に分析した。 3.環境倫理育成のための教材開発 小学校2校・中学校2校の協力校において、環境倫理を題材とした「道徳の時間」の研究授業を行い、教材の在り方、授業の方法などについて検討を進めた。 また、環境教育をテーマとした道徳教育の全体計画のモデルプランを作成し、学校の様々な教育活動を活用した道徳教育の指導方法の開発を試みた。 なお、今後は、この研究で開発した教材、指導計画を実践しながら、それらを改善していくために必要な、道徳教育の評価方法の確立を行うことが課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
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