Project/Area Number |
06710188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | The Yokosuka City Museum |
Principal Investigator |
安室 知 横須賀市自然博物館, 学芸員 (60220159)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 低湿地 / 民俗技術 / 民俗知識 / 複合生業 / 漁撈 / 水鳥猟 |
Research Abstract |
研究目的に沿って、下記の3地点において民俗学的な聞き取り調査を行った。 ・木曾川河口部の輪中地帯(岐阜県海津郡海津町) ・西表島浦内川の河口部に広がるデルタ(沖縄県八重山郡竹冨町祖納) ・日本海沿岸の潟湖のひとつである三方五湖周辺の低湿地(福井県三方町鳥浜) 聞き取り調査は、昭和初期に時間軸を設定して、その時点における人と自然環境との関係に注目しつつ民俗誌作成を最終的な目的として行った。 具体的には、まず第一に、低湿地に暮らす人々が自分たちの生活する空間をどのように認識しているかを民俗知識・信仰・儀礼の中から探った。その上で、低湿地を舞台として営まれた稲作・漁撈・狩猟・採集などの生業活動のあり方について民俗技術的な側面を中心に調査した。そのとき、低湿地で実際に使用した農具や漁具などの民具について、写真・実測図等により記録しつつ民具学的な分析を行った。 そうした調査の結果、従来の稲作単一視点では充分に捉えられなかった低湿地に暮らす人々の水界に適応した生活のあり方について明らかにすることができた。 とくに複合生業のあり方については特徴的である。低湿地における陥穽漁法を駆使した漁撈活動と水鳥を中心とした狩猟活動は、住民の生計維持にとって重要な役割を果しており、それにまつわる民族知識と民俗技術の体系は非常に精緻なものがあった。それらの生業活動は増水期や減水期といった自然のサイクルにうまく合う形で行われ、しかもそれは稲作活動とうまく組み合わされて行われてきたことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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