Project/Area Number |
06710191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴田 啓 東京大学, 史料編纂所, 助手 (10172066)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 近世中期 / 江戸幕府 / 対外関係 / 対馬藩 / 松前藩 / 朝鮮通信使 / 蝦夷地 / 異国船 |
Research Abstract |
1 龍野市立歴史博物館(龍野市)においては旧播主脇坂家の文書、とくに脇坂安董解決史料の調査と撮影を行った。安董は江戸幕府の要職にあって幕府の対外政策に深く関与した人物であり、幕政全般と対外政策との関係解明が期待できる。なお脇坂文書中の「対州道中絵巻」(1巻)は、安董らが朝鮮通信使応接のため対馬に赴く行程を描いた絵巻であるが、従来通信使関係史料としては知られていなかった貴重なものである。 2 北海道開拓記念館(札幌市)、北海道立図書館(江別市)、北海道立文書館(札幌市)、市立函館図書館(函館市)では、松前藩や江戸幕府の蝦夷地経営関係史料の調査と撮影を行った。これらの中には、蝦夷地に漂着した朝鮮官人への松前播の対応を示す史料(道立文書館、函館図書館)、ロシアとの緊張下で幕府が蝦夷地経費の削減を考えていたことを示す史料(道立文書館)など興味深い素材が含まれており、今後詳細な検討が必要である。 3 岩国徴古館(岩国市)において調査・撮影した吉川家文書からは、萩藩の支藩(正式には分領)である岩国藩が、本藩からの指示に基づいて上関(山口県)での朝鮮通信使を接待した状況が良く分かる。また山口県文書館(山口市)で調査・撮影した史料からは、防長沿岸で密貿易船発見・漂流民救助・異国船漂着などが発生した際の、萩藩と幕府との間での具体的なやり取りを分析することができる。 4 長崎県立対馬歴史民俗資料館(厳原町)では、同館保管「宗家文庫史料」のうち小田幾五郎関係史料の調査と撮影を行った。この史料は、対馬藩の朝鮮語通詞(通訳)で文化通信使準備交渉の実務に当たった小田が、朝鮮側との交渉経過を藩に報告したもので、いわゆる易地聘礼(対馬での通信使儀礼実施)実現の過程を具体的に知るための重要な材料となるものである。
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