坂田諸遠『野辺夕露』にみる近世後期戯作者の伝記的研究
Project/Area Number |
06710268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Soai College |
Principal Investigator |
山本 和明 相愛女子短期大学, その他部局等, 講師 (90249433)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 戯作者 / 坂田諸遠 / 『野辺夕露』 / 山東京伝 / 曲亭馬琴 |
Research Abstract |
今年度に行なった研究は以下の通り。 1.『野辺夕露』本文の確定:東大蔵本・国会図書館本によって、近世後期戯作者に関する記載内容をワープロにて翻字し、確定本文を作成した(公開予定)。また東大蔵の坂田諸遠旧蔵本の調査から、後期戯作者に関する伝記試料が補充しえた。 2.試料的信憑性の検証:『野辺夕露』中の曲亭馬琴関連記事をみるに、その記載内容が、当時あまり知られていなかった馬琴自筆の記録を披見して書かれており、そこに何ら虚構を交えていないことが確認された。同様のことは他にも見られ、明治期に作成された資料ながら、資料的信憑度の観点からみて、十分資料として用いることのできる一等資料であると検証された。 3.従来研究との比較検討:当該資料に掲載された近世後期戯作者、特に山東京伝と曲亭馬琴を中心に、それぞれ先学の研究成果を調査・整理を行ない、それと『野辺夕露』の内容との比較検討を行なった。その研究成果の一端として、京伝と考証随筆との関わりについての新見を論文として発表した(「京伝と〈考証〉」)。今後は、京伝や馬琴、柳亭種彦等に関する調査結果の発表と、彼らと交流を持つ江戸派国学者達との交流も視野に入れて伝記研究に一石を投じたい。 4.当該資料を手掛かりとした伝記資料の発掘:『野辺夕露』に引用された資料の存在を確認するため、目録等を購入し、実際に各地の文庫調査を行なったが、それによって例えば、馬琴の亭和年間の伝記に関する資料や、柳亭種彦の書簡資料等が確認しえた。今後は、その資料的意義の検討も行ない、公にしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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