日系アメリカ人女性作家が描く第二次世界大戦下の強制収容所体験
Project/Area Number |
06710288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
臼井 雅美 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00223537)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1994: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 日系アメリカ人文学 / 現代アメリカ女性作家 |
Research Abstract |
日本で入手が困難であるアメリカで発行されている『北米毎日』や『ラフ-・シンポー』等の日系新聞、『サンフランシスコ・イグザミナー』や『デイリー・カリフォルニア』等の地方新聞、『イミグランツ・アンド・マイノリティ』や『ブリッジ』等の少数民族派の学術研究誌等は、カリフォルニア大学バークレー校の少数民族学科と同大学のアジア系アメリカ学図書館の協力を得て、日系二世作家ヨシコ・ウチダと日系三世作家エイミ・ウエマツ等の日系女性作家に関する記事や書評、アジア系アメリカ学の動向、日系アメリカ人収容所体験に関する新しい情報、さらにアジア系アメリカ人文学に関する記事を入手した。特に、ウチダはバークレー校の同窓生であり1992年に死去するまで生地でもあるバークレーで暮らしていた為、草稿や貴重な資料が同校の中央図書館にも死後寄贈されていた。また、アメリカでもほとんど参考資料がないウエマツに関しても、アジア系アメリカ研究雑誌『アメーシア・ジャーナル』で資料を見つけることができた。15EA02:第二次世界大戦下の日系人強制収容所に関する資料については、購入した図書以外に同上のアジア系アメリカ学図書館から自費出版した収容所体験記や廃刊されたアジア系アメリカ人の編集による月刊誌の記事を入手した。その中には、無名の二世の日系女性が文学的に高度な技術を要するソネットの形式で創作した詩を発見することができた。15EA03:ウチダの論文は、思春期に収容所体験を経て戦後の社会復帰のリーダーとしてアメリカ社会へ再生を果たした二世の立場から描いた葛藤を、収容所体験が基調となった4作品に関して分析した。ウエマツの論文は、戦後生まれた三世が、1960年代の公民権運動の中で日系としてのアイデンティティに目覚めた後、その平和と平等を求めた政治的活動と詩作活動を一致させた姿勢を中心にウエマツの唯一の詩集『サーティーマイルズ・J-タウン』に関して論じ、第33回日本アメリカ文学会全国大会において口頭発表し、加筆修正した完成論文が『中・四国アメリカ文学研究』に発表予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)