Project/Area Number |
06710297
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
ウエルズ 恵子 立命館大学, 文学部, 助教授 (30206627)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | フォークソング / 民謡 / 大衆文化 / 鉄道 / ホ-ボ- / アメリカ文化 / 口承文化 / 民俗音楽 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アメリカ民謡(フォークソング)を通して大衆の暮らしの歴史(文化史)をまとめることであった。集めた資料は幅広い分野の民謡にわたっているが、今年度、特に分析を進めたのは浮浪者民謡である。19世紀末から20世紀初頭にかけて、不景気や大量の移民の流入と平行して、アメリカでは浮浪者が激増した。彼らの残した歌や彼らについて書かれた歌はアメリカ独特の民謡であり、文化史を研究する上で重要である。 それらの歌は、浮浪者の厳しい生活の現実を映し出したり、彼らのセンチメンタリズムを表現したり、貧しくて定住しない(あるいは、できない)者の論理を反映していたりする。また、浮浪者と関係の深かった鉄道が、貧しい者を人扱いしなかった事の告発的歌詞を通して、野放しの資本主義の害をかいま見ることができる。こうしたことは皆、当時のアメリカの状況をよく伝えてくれるとともに、現在までも続くアメリカらしさを発見し検討する際に大いに参考になる。 また、浮浪者民謡は、他のアメリカ民謡と同様に、アメリカ文学に特徴的なトールテ-ル(大げさなほら話)を含み、楽園へのあこがれを表現し、ユーモアにあふれている。よく見ていくと、一つ一つの民謡が他の分野のアメリカ文化と深くかかわり合いながら口承されていったことがわかる。従って、民謡研究はアメリカ文化全般を理解する糸口となりえる。 今後は、他の種類のアメリカ民謡について同様に検討と分析を進め、研究成果を随時発表していきたい。また、日本の民謡も視野に入れて研究していくことにより、比較民謡研究へ発展させていきたいと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)